【サッポロ、サントリー編】「ビールの鉄人」たちが激論!この夏飲みたい「最強の一本」は?
『金麦』『黒ラベル』……コスパ最強なのは?
最高気温40℃以上の「酷暑日」が全国各地で相次いでいる。炎天下の街を歩けば、ものの数分で汗が吹き出す--そんなときこそ、ビールが旨い。しかし売り場を見渡せば、定番商品に新ブランド、数量限定商品など、多種多様のビールが並ぶ。どのビールが正解なのか?
飲料専門家の江沢貴弘氏、ビアジャーナリストのMJ氏、同じくビアジャーナリストの津田敏秀氏という″ビールの鉄人″たちが、この夏に飲みたいコスパ最強のビールについて激論を交わした。
アサヒ、キリンの商品について語った前編に続き、後編ではサッポロ、サントリーのオススメ商品を徹底討論する。
サントリー、サッポロのオススメビール
--サントリーはいかがですか。キリンビールと同様に、こちらも発泡酒のトップブランドを持っています。
津田 じつは個人的に一番よく飲んでいるのが『金麦』なんです。
MJ 『本麒麟』をベタ褒めしていたのにですか!?
津田 アルコール度数6%は普段飲みには少し高いんですよ(笑)。『金麦』は5%なので、普段飲みに適しています。特長がないのが特長で、クセがなくて食事の邪魔をしない。それも含めて頭を空っぽにして飲める。私は『金麦』を飲んでいるときが一番リラックスできます。
MJ 金麦も10月にビール化します。試作品を飲んだことがありますが、変わらず『金麦』でした。もともと麦芽比率が高く、ビールに近い商品なので、ビール化によってファンが離れることはなさそうですね。
江沢 ほかには『サントリー生ビール〈夏生〉』も秀逸(しゅういつ)です。『サントリー生ビール』の派生商品で、7月から数量限定で販売しています。夏向けながら、アルコール度数が5.5%とやや高い。普通は秋冬向けになる度数ですが、『〈夏生〉』はホップの清涼感が加わって実に軽やか。このバランスの良さは見事です。
--サッポロビールのオススメは。
江沢 間違いないのは『サッポロ生ビール黒ラベル』でしょう。エレガントな苦みがありながら、モルト感も感じられる。最近は軽いビールがトレンドですが、『黒ラベル』は軽くなることも、重くなることもなく、昔から変わらない。
津田 以前、ビールを研究している先生に聞いた話ですが、日本のビールを表にプロットすると、一番中心に来るのが『黒ラベル』ということです。重さ、軽さ、華やかさ、ボディ感など、どんな尺度で測っても、真ん中に来る。日本のビールの基準と言えるブランドです。
MJ ″本物のビール″というイメージがありますよね。私は死ぬ前に最期に飲むビールは『黒ラベル』と決めています。
江沢 ファンの鑑ですね(笑)。
津田『サッポロ ホワイトベルグ』も個性的な一本です。ベルギーのホワイトビールを意識して作られた発泡酒で、’14年発売と地味に12年も続いています。フルーティーな香りで苦みは控えめ、ホワイトビールのような爽やかさが持ち味。類似商品は少なく、独特のポジションを築いています。
MJ 夏向けでは『サッポロビール園サマーピルス』がオススメです。札幌市のサッポロビール園の監修商品で、麦の旨味と爽やかなホップの香りが楽しめるビールです。6月から数量限定で販売されています。
激論の末に選ばれた″最強の一本″は……
--結論に参ります。事前にうかがっていた有力候補を用意しました。試飲のうえ、この夏に飲みたいコスパ最強の一本を決めてください。
江沢『サッポロビール園サマーピルス』と『アサヒスーパードライ 冷涼辛口』で迷うところですが、『サマーピルス』を推します。
津田 私も『サマーピルス』に一票。
MJ 私は『冷涼辛口』を推します。本当に冷たく感じる。澄み切ったキレ。美味しさとともに、夏にビールを飲むことの気持ち良さを表現している点を評価したいと思います。
江沢 たしかに『冷涼辛口』は冷涼感が素晴らしい。ですが、僕は『サマーピルス』の総合力の高さを評価します。麦芽とホップ、コメ、コーン、スターチ由来の糖質を発酵に活かすことでキリッと引き締まる。そして苦みがキュッと入ることで、もう一本飲みたくなる。商品名もパッケージも夏を感じます。
津田 味も全然裏切らないし、ドリンカブルですよね。
--ドリンカブル?
津田 いくらでも飲めることを意味する用語です。ビールの審査会などでは、評価基準のひとつになります。
MJ 1本で満足するようなビールは、審査会では評価を下げがちですよね。
津田 1本目より2本目、2本目より3本目が旨くなる、というのが--。
MJ 一番の誉め言葉!
津田 『冷涼辛口』もドリンカブルではありますが、この点は『サマーピルス』に軍配が上がるかなと思います。
江沢・MJ 異論なし!!
″ビールの鉄人″たちの激論は2時間を超えた。僅差の戦いを制した″最強の一本″は『サッポロビール園サマーピルス』だった。
『FRIDAY』2026年9月4日号より
