「男性美容」市場拡大、電動シェーバーや化粧水など新製品続々…5年で倍増・異業種の参入も
男性向け美容品市場の拡大を受け、メーカー各社が商品展開を強化している。
コロナ禍でオンライン会議が普及し、自分の顔をじっくり見る機会が増えたことがきっかけの一つとされ、男性の美容を好意的に受け止める風潮も広がってきた。異業種からの参入の動きもある。(升田祥太朗)
パナソニックは、電動シェーバーで展開している「ラムダッシュ」シリーズの売上高を、2030年度に25年度比で1・5倍にする目標を掲げる。9月上旬、手のひらサイズで20〜30歳代を中心に人気の「パームイン」で初めて6枚刃の新製品(税込み想定価格8万4000円〜5万4000円)を発売する。年内にはヘアカッターの新製品も投入する。
すね毛などをそるボディートリマーと合わせて「ラムダッシュ」として統一展開し、2、3年後には、化粧品やスキンケアといった家電以外にも品ぞろえを広げていく計画だ。
パナソニックの調査では、男性が体毛の処理やメイクに取り組むことに「とても良い」「まあまあ良い」と答えた割合は男性で7割、女性で8割に上ったという。ビューティ・パーソナルケア事業部の中村正治事業部長は「シェービングからスキンケアまで、美容習慣全体を支える存在になる」と意気込む。
調査会社インテージによると、24年の国内の男性化粧品市場は497億円と5年前の1・8倍に拡大した。インドの調査会社360iResearchは、32年の世界の男性化粧品市場が25年比4割増の1290億ドル(約20兆円)に達すると予測する。
サントリーホールディングス傘下で健康食品などを手がけるサントリーウエルネスは22年、40歳以上をターゲットにした男性スキンケア商品「ヴァロン」の販売を始め、25年の国内売り上げは前年比3割増の63億円に上った。台湾やタイ、シンガポールでも展開しているほか、昨年6月からは、男性化粧品市場が日本の3倍とされる米国でも「キゼン」の商品名で販売に乗り出した。
異業種から参入するのは紳士服大手のはるやま商事だ。今年7月、初めて自社開発した男性向けの化粧水や乳液の販売を全国約300店舗で始めた。主力の紳士服との「ついで買い」需要の取り込みを図る。
