「こどもNISA」、始める前に考えたいこと:何のために使う? 5つの目的と3つの注意点

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「こどもNISA」が2027年1月からスタートします。秋から口座開設の事前予約もスタートすると思いますが、焦って口座を開設する前に、目的や活用方法、留意点についてまとめました。

「こどもNISA」の概要
・2027年1月からスタート
・口座開設可能年齢:0~17歳(その年の1月1日に18歳未満。出生年も対象)
・口座は1人1口座 (ジュニアNISA口座を保有している人も、「こどもNISA」の口座は開設できる)
・設定されるのは「つみたて投資枠」のみ
・恒久化(ジュニアNISA:2016年~2023年)
・非課税保有期間:無期限(ジュニアNISA:5年)
・年間投資枠:年間60万円が上限(ジュニアNISA:年間80万円)
・非課税保有限度額(総枠)は600万円(ジュニアNISA:400万円)
・保有する資産をNISAに持っていける (ジュニアNISA:持っていけない)

「こどもNISA」を開設する前に、目的を確認しよう

まずは目的を考えることからスタートしましょう。皆さんは「こどもNISA」を何のために利用しようと考えていますか。

(1)子どもの教育費に備えたい
(2)子どもがやりたいことを応援したい
(3)大人になった子どもに資金を渡したい
(4)子どもの金融教育のきっかけに
(5)祖父母から孫へ、資産を移したい

(1)子どもの教育費(2)やりたいことの応援資金

12歳以降なら引き出し可能

「こどもNISA」口座を開設する目的で、真っ先に浮かぶのは「(1)子どもの教育費に備えたい」、「(2)子どものやりたいことを応援したい」ということではないでしょうか。12歳(小学校6年生の1月※)以降であれば、「子どもの教育費または生活費」のためであれば、必要な分だけ引き出すことが可能です。

※正確には「その年の3月31日時点で12歳となる年以降」

引き出すには子どもの同意が必要

中学校、高校時代には、学校の授業料のほか、部活や塾、お稽古ごと、短期留学費用などお金がかさむことも少なくありません。ただし、子どもの教育費・生活費の具体的な範囲についてはまだ示されていませんので、詳細を待ちましょう。また、引き出す際の手続きは親権者等が行いますが、子どもの同意も必要で、同意を得たことを証する書類を添付します。

自由度の高い保護者のNISA口座や預貯金、学資保険という選択肢も

ただ、(1)と(2)については「こどもNISA」口座から出す必要があるのか、という意見もあります。子どもの教育資金については、保護者のNISA口座や預貯金、学資保険などから出せるという人はそちらを優先するという選択肢もあります。成人のNISA口座については引き出す時期や用途、金額などについて制限はありませんから、好きな時期に引き出すことが可能です。運用資金が増えている場合には、一部を引き出して教育費に充てることも可能です。

(3)成人後は自動的に成人用のNISA口座へ

その場合、目的は「(3)大人になった子どもに資金を渡したい」ということになるでしょう。「こどもNISA」口座で運用を継続していくと、18歳になったときに自動的に成人NISA口座が開設されるので、お子さんがそのまま資産を運用していくことになります。就職したあとは自分でお給料の一部を投資に回していくことになります。

なお、「こどもNISA」で利用した非課税保有限度額も成人後のNISAに引き継がれるため、たとえば600万円の枠をすべて利用していた場合、18歳以降に新たに利用できる非課税保有限度額は1200万円となります。

(4)会社の仕組みや社会とのつながりを学ぶチャンスに

そして、「(4)子どもの金融教育のきっかけ」は、それ自体が目的というよりは、(1)から(3)に付随して、ということになるでしょう。お子さんと一緒に、投資信託を通じて「株式に投資するってどういうこと」なのか、会社の仕組みや社会とのつながりなどを一緒に学ぶチャンスでもあります。短期的にお金が増えた・減ったということではなく、お金や投資について学ぶきっかけになるとよいかもしれません。

ジュニア口座の活用事例:Aさん「資産クラスによって異なる値動きの違いを教えたい」

ジュニアNISA口座を活用した保護者の方に以前インタビューしたところ、Aさんは日本株式、先進国株式、新興国株式に投資するインデックスファンドをそれぞれ60%、30%、10%の割合で積み立てていました。「将来、子どもたちが理解できるようになったら、それぞれの資産クラスで値動きは違うことを教えたい」と思ったからだそうです。

ジュニア口座の活用事例:Bさん「アクティブファンドも組み合わせて積立」

一方、全世界株に投資するインデックスファンド80%とアクティブファンド20%を組み合わせて積立をしていたBさんは「投資信託は個別企業の株が投資対象になっていて、自分のお金が(投資信託を通じて)そうした企業に投資されて、お金・社会が回っていくのだということを意識してもらいたいと思って、アクティブファンドも入れています」とのこと。

このように、なぜその商品を選んだのか、その背景にある考え方やお子さんに対する想いなどを、理解できる年齢になったときにお子さんに伝えていけるとよいでしょう。

(5)祖父母から孫へ資金を移したい:子ども(口座開設者本人)に贈与済みの資金であること

そして、「(5)祖父母から孫へ、資産を移したい」というケースもあるでしょう。「こどもNISA」で投資信託を買い付ける資金は「子ども(口座開設者本人)に帰属するもの」に限定されます。

子ども(口座開設者本人)に贈与済みの資金であることが前提なので、贈与の事実が分かるよう、贈与契約書や振込記録などを残しておくことも考えましょう。贈与税の取扱いについては税理士などの専門家に確認してください。

この場合も、単にお金を出すだけでなく、保護者同様、背景にある考え方やお孫さんに対する想いなども共有したいものです。

「こどもNISA」3つの注意点

最後に注意点を3つまとめました。

金融機関選びは慎重に

成人のNISAは年単位で金融機関を変更できますが、「こどもNISA」は金融機関を変更できません。金融機関によって「つみたて投資枠」で購入できる商品のラインアップなどは異なるため、取扱商品やサービスをよく確認したうえで口座を開設しましょう。

投資信託を売ることはできる

12歳より前でも、「こどもNISA」で保有している投資信託を売ること自体はできます。そのお金は「未成年者口座」という専用の受け皿に入り、引き出すことはできません(「こどもNISA」口座で新たに買い付ける資金にはできます)。

教育費などとして使う時期が近づいたら、必要に応じて投資信託をあらかじめ売却し、預り金(現金)で待機させておく方法もあります。そして、12歳(小学校6年生の1月)以降、必要な時期にお金を引き出します。

非居住者になる可能性がある場合には事前に確認を

ジュニアNISAでは、出国して非居住者となった場合、保有商品を課税ジュニアNISA口座へ移管する仕組みでした。こどもNISAについても、海外留学などで非居住者となる場合の取扱いを事前に確認しておきましょう。

竹川 美奈子 LIFE MAP合同会社代表/ファイナンシャル・ジャーナリスト