換気と除湿を同時にこなすパナソニックの新型空調機「サラウェル」は高温多湿な日本の夏に威力を発揮
日本のエアコンは耐久性があり、省エネ。日本家電の至宝の一つだ。10年前と一番違うのは、最近、地政学リスクが強まり、メインラインアップを日本生産に戻したことだ。
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国内生産は海外生産よりコスト高になる。が、エアコンは季節販売。生産国で輸出規制をかけられたら、その年の販売はパーになってしまう。このため今、海外で生産しているのは廉価品だけというメーカーが多い。廉価版なので技術も最低限。技術流出の防衛策も兼ねる。このため廉価品は、2027年度のトップランナー基準に達しているモデルはほとんどない。
国産モデルは価格は高いが省エネモデル。電気代が安い分、長年使うと、廉価モデルよりトータルの支出は安くなるモデルも多い。内閣府はエアコンの平均使用年数を14年とし、2.2キロワットモデルだと、電気代は14年間で約4万円安くなると算出している。ただ、家電のパーツは8〜10年保管が普通だ。14年は盛ってないか?
夏の必需品のエアコンだが、欠点もある。基本的に換気対応していないことだ。冷やしているところに、外から暑い空気が入ったら、エアコンはフル稼働して冷やそうとするため、電気代はメチャクチャ上がる。エアコンは閉め切って使うのが常識だ。コロナ期に苦労した人も多いだろう。
今年、パナソニックはエアコン同様のヒートポンプを持った「換気システム」を作った。名前は「サラウェル」。低湿度を意味するサラサラのサラに、ウェルはWell。換気と除湿を同時にこなす新型空調機だ。熱中症の発症の3分の1は室内、エアコン稼働中ということをご存じだろうか? これは現在、温度以外の空調をないがしろにしていることが原因だ。
空調とは、温度以外に、二酸化炭素量、湿度、風量、空中浮遊物、揮発性化学物質の要素があり、今の技術では、一台で全てに対応することはできない。このため、エアコン、換気扇、除・加湿器、扇風機、空気清浄機等で、十分でない要素を補う。
多湿は日本の特徴と放っておく人も多いが、猛暑、酷暑になると、多湿は汗の蒸発を妨げるために、気化熱で体温が下がらなくなり、家のなかでも熱中症になる。「サラウェル」は、その状況を防ぐ効果がある。
換気と組み合わせるので、一台ですべての部屋を低湿化することができる。手法はエアコンの除湿と同じであるため、部屋の温度もほんの少々下がる。
「サラウェル」に注目したのが、積水ハウスだ。業界でもトップクラスのハウスメーカーである。同社の暮らしの体験型ミュージアム「Tomorrow's Life Museum関東」で、私も体験させてもらったが、低湿度だと、それだけで設定温度より涼しく感じる。2度くらい設定を下げた感じだ。ただ、換気システムなので、新築でないと取り付けが難しいとのこと。
今までは、エアコンの電気代にばかり気を取られてきたが、空調インフラを見直す時代に差し掛かっているようだ。空気環境が整うのはヘルスウェルに通じる。
(多賀一晃/ライター)
