楽天市場から撤退の「通販生活」創業者は「辻元清美」の大スポンサー モットーは「憲法9条があるから買い物ができる」
通販カタログ誌「通販生活」(カタログハウス)がショッピングサイト「楽天市場」への出店を取りやめたことが話題になっている。8月17日、楽天が軍事用ドローンを開発するドイツのヘルシングと提携して防衛省への納入を支援すると報じられると、その翌日に「私たちの企業理念とは相いれない」と出店の取りやめを発表したのだ。果たして「通販生活」の企業理念とは――。
***
【写真を見る】創業者が支援する辻元議員と「通販生活」の主張とは
「通販生活」の公式サイトに発表された「『楽天市場』への出店とりやめのお知らせ。」は以下の通りだ。
《「憲法九条」があるから「買い物ができる」……通販生活の表紙にはこんなメッセージをかかげています。いっぽうで楽天グループについて、「攻撃型ドローン」の導入支援および国産化を推進すると報道されています。これを受けて私たちの企業理念とは相いれないことから出店を中止いたしました。/戦争が始まってしまったら、買い物どころではなくなります。「憲法九条」に託した非戦の誓いを守っていくべきと考えています。》
いきなり《「憲法九条」があるから「買い物ができる」》と言われると、何のことだ?と思う人もいるのでは。戦争がなければ安心して買い物もできる、ということなのだろう。こんなメッセージを表紙に掲げているのが「通販生活」である。

「週刊新潮」はかつて「民主党入り『辻元清美』のスポンサーは『通販生活』だった」という記事を掲載。現在は立憲民主党に所属する参議院議員の辻元氏だが、社民党を離党して当時の政権与党・民主党に鞍替えする直前、2011年9月29日号に掲載されたものだ。以下、当時の記事を引用する。
今も続く辻元氏への献金
「辻元さんがやっていることは、まるで火事場泥棒。勝手に離党しただけでなく、数少ない党のスポンサーまで引き抜いていったのですから、絶対に許せません」
かつての“党首候補”をこう罵るのは、社民党職員だ。
「彼女は、『通販生活』のオーナー夫妻から多額の献金を受けているのです。それも、元は党の支援企業だったのですからね」
「通販生活」は、斎藤駿(すすむ)氏(76=当時・引用者註)が1976年に起業したカタログハウスが発行する通販誌。CMにきんさんぎんさんを起用して話題を呼んだこともある。政治部記者が解説する。
「斎藤さんは自宅のある東京・国立市で革新系市長を応援し、『通販生活』でも憲法9条や原発問題を取り上げているシンパ。社民党はカタログハウスから1500万円の団体献金を受け、同額の借入金があったことも。それがある時期を境に、辻元さんだけに肩入れするようになったのですよ」
辻元サンの資金管理団体「市民と平和プロジェクト」の政治資金収支報告書を見ると、2009年までの4年間で個人献金は計965万円。なんと、そのうち斎藤夫妻の献金が780万円も占めている。
――ちなみに、斎藤氏による辻元氏への献金は今も続いている。2022年は同団体への個人献金883万円のうち斎藤氏の献金が150万円、23年は391万4060円のうち150万円、24年は540万円のうち150万円といった具合だ。そして「週刊新潮」では、当の斎藤氏自らが辻元氏を支援する理由について答えている。再び引用に戻る。
「理念に反したら支持を止める」
「辻元クンを応援し始めたのは、03年に(秘書給与事件で)逮捕された後から。確かに、彼女は法を犯したけど、逮捕はやり過ぎだと思ったからです」
こう語るのは斎藤氏ご本人。当時、彼は作家の落合恵子氏や経済評論家の佐高信氏らと共に、辻元サンを支援する会の呼びかけ人に名を連ねていたのだ。そして多額の献金についてはこう説明した。
「大阪へ行った訳ではありませんが、彼女の浪人中も支援していました。お金の問題で逮捕された訳で、逮捕に抗議した以上は経済的に支えていかねばならない。支援すると言って何もしないという態度はあり得ないと考えたのです」
現在、斎藤氏が応援する政治家は辻元サンただ1人。過去には社民党の福島瑞穂党首にも献金していたというのだ。
「憲法9条を守る人を応援するのです。一度、20万円を献金したこともありますが、党首で露出度も高く、参院なので選挙も楽だと思って、それ以降は全く献金していません」
些か理解しがたい理屈だが、辻元サンの与党入りをどう見ているのか。
「新聞発表の2日前に、電話がありました。批判する側からでは志を通しにくい。志を通して行きたいということですから、民主党入りには賛成。彼女を支援する理由は憲法9条を守り、脱原発を目指しているから。民主党に移った後、理念に反するような行動を取った場合には支持を止めます」
核ミサイルは販売しない
――前述の通り、斎藤氏の辻元氏への支援は続いている。あくまでも憲法9条を守る、そして脱原発というのが、斎藤氏の持論のようだ。
「週刊新潮」にこの記事が掲載されたすぐ後の11年12月、「通販生活」は原発の是非を問う国民投票を呼びかけるCMをテレビ朝日の「報道ステーション」で流そうとして断られたことが話題になった。
2023年にはロシアのウクライナ侵攻を猫のケンカにたとえた文章を表紙に掲載。在日ウクライナ大使館から「主権国家に対する侵略戦争はケンカではありません」と抗議され謝罪したこともあった。
ちなみに「カタログハウスの商品憲法」というものも存在する。《小社は以下のルールに則った商品のみを販売します》とあり、9条まである。各条に《できるだけ》という前振りがつき、《地球と生物に迷惑をかけない商品》や《永持ちする商品》などを販売していくとあるのだが、9条だけは趣が異なる。
《第9条 できるだけ、核ミサイル、原子力潜水艦、戦闘機、戦車、大砲、銃器の類いは販売しない。》
「通販生活」に限らず通販サイトに核ミサイルが掲載されたら世も末かもしれない。ただし、ウクライナやイラクは安価な大量のドローンで大国のロシアやアメリカに対抗できることを証明してみせた。
自衛権しか持たない日本が軍事用ドローンを保持することは急務とも言われている。高市早苗首相も「日本はまだまだ取り組みが足りない」と話し、小泉進次郎防衛相はドローンの国産化を急いでいる。実際、陸上自衛隊はすでにヘルシング製ドローンの実証試験に入った。もちろん斎藤氏は、自民党も自衛隊もお嫌いだろうけれど。
デイリー新潮編集部
