【解説】「真夏にインフルエンザ」感染増なぜ? 「南半球からの旅行者」「換気不足」...対策は【みんなのギモン】
冬に流行するイメージが強いインフルエンザですが、神奈川県で真夏の今、「流行が始まった」と発表されました。首都圏の各都県でも患者数が増えています。
■神奈川県で患者数1.37人

神奈川県は、8月10日から16日までの1週間に定点の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数が、1医療機関あたり1.37人となり、流行開始の目安となる1.0人を超えたと発表しました。去年と比べて1か月半ほど早く目安に達したということです。
首都圏ではこのほか、埼玉県で1.70人、東京都で0.91人、千葉県で0.83人となっています。また、沖縄県では2.89人となっていて、いずれも前の週より増加しています。
■南半球からの旅行者や換気不足などが要因か

感染制御学が専門の東邦大学・小林寅竽教授によると、現在、冬でインフルエンザが流行している南半球からの旅行者などを通じて感染が広がった可能性が考えられるということです。
その上で、日本国内も夏休みで人の移動が増える時期であることや、猛暑でクーラーをつけ部屋を閉めきることが多く、換気が十分でなくなることなどから、感染しやすい状況になっていると指摘しています。
■神奈川県のクリニック「今月5日ごろから毎日患者」

すでに流行が始まっている神奈川県内のクリニックに話を聞いたところ、これまでインフルエンザの患者はいませんでしたが、8月5日ごろから毎日1、2人は出るようになり、「流行が始まった」と感じているということです。
患者のほとんどは子どもで、保育園児や小中学生が多いとのことです。今年ならではの特別な症状はないものの、38℃ほどの熱やだるさで「風邪かな」と思って来院し、インフルエンザと診断されて驚く患者が多いそうです。
クリニックでは、まもなく子どもたちの夏休みが終わり、学校など集団生活が始まるため、さらに患者が増加するのではないかと心配していました。
■対策は「こまめな手洗い」と「30分に1回の換気」

インフルエンザの予防接種は一般的に毎年10月ごろから始まるため、それまでは自分でできる感染対策を徹底することが重要です。専門家によると、ポイントは2つあります。
1つは、こまめに石けんで手洗いをすることです。人と接した後や共有物に触れた後、食事の前などは特に丁寧に洗うことが推奨されます。手が洗えない時は、アルコール消毒もインフルエンザウイルスには有効だということです。
もう1つのポイントは換気です。クーラーが効いている部屋でも、30分に1回程度は窓などを開けて換気することが必要で、1回に5分から10分程度を目安に外気を取り入れるとよいということです。
■厚労省サイト「医療情報ネット」で休日・夜間の医療機関検索も

夏休み中に旅先などで急な体調不良に見舞われた際に活用できるのが、厚生労働省のウェブサイト「医療情報ネット(ナビイ)」です。
トップページから「現在診療中の医療機関」や「休日夜間対応医療機関」を検索できるほか、現在地から近い順で医療機関を探すこともできます。休診日などの情報も反映されていますが、念のためそれぞれの医療機関へ問い合わせてから向かうと確実です。
インフルエンザの治療薬は、発症から48時間以内に服用しないと十分な効果が得られないとされています。高熱や風邪のような症状がみられた場合には、発症した翌日には受診するとよいということです。