【解説】千葉市「緊急速報メール」避難レベルなぜ誤配信? レベル5と4で異なる意味合い 正しければ被災者減っていた可能性も
今月13日の千葉豪雨の際、千葉市が市内にいる人のスマートフォンに届く「緊急速報メール」で、避難に関する情報を誤って配信していたことが日本テレビの取材でわかりました。千葉市が命の危険が迫るレベル5の避難情報「緊急安全確保」を、誤って1つ下のレベル4「避難指示」として配信していました。社会部災害担当で、気象予報士の資格を持つ牧尾太知記者が解説します。
■メールを手打ちで作り誤ったまま配信

千葉豪雨の際に、特に千葉市内で多くの人が車で移動中に被災しましたが、その背景の1つかもしれないことがわかりました。
千葉豪雨当日の午後7時30分、気象庁は千葉市に「レベル5大雨特別警報」を発表しました。これはすでに重大な浸水害が各地で起きている可能性が極めて高いことを伝える緊急の情報で、千葉市はこれを受けて、命を守るよう垂直避難などを呼びかける「レベル5緊急安全確保」を出しました。
――ここまでは、千葉市の対応に問題はないですよね。
はい。ただ、このレベル5緊急安全確保を、出したことを、千葉市内にいる人のスマートフォンに届く「緊急速報メール」で伝える際に、誤って、1つ下のレベル4「避難指示」を出した、と伝えてしまったのです。
市の担当者が避難指示のフォーマットをもとにメールを手打ちで作り、誤ったまま配信してしまったということです。
千葉市が緊急速報メールで「レベル5緊急安全確保」を伝えたのは、気象庁が大雨特別警報を発表してから2時間半以上たった午後10時2分のことでした。
■レベル5「垂直避難」レベル4「安全な場所に避難」

――その意味合いの大きさは?
レベル5とレベル4では取るべき行動が全く異なります。「レベル5緊急安全確保」は、すでに各地で災害が発生していて命の危険があるため、屋外への避難や移動はかえって危険であり、自宅の2階などに「垂直避難」するよう強く求める情報です。
一方のレベル4「避難指示」は、基本的にはまだ災害が発生する前の段階で出されるもので、災害が起きる前に安全な場所に避難するよう求めるものです。まだ屋外を移動できるレベル4と、移動すること自体が危険なレベル5では大きな違いがあります。
■無理な移動を躊躇し、被災者が減っていた可能性

もし当時、千葉市にいた人たちがレベル5の情報を正しく受け取れていれば、車などで無理に移動することを躊躇し、被災する人が減っていた可能性が指摘されています。
――そもそも、レベル5の大雨特別警報が出た段階で、気象庁から緊急速報メールを受け取ることはできなかったのでしょうか。
実は、気象庁は4年前、予算不足などを理由に大雨特別警報の緊急速報メール配信をやめてしまったため、現状では私たちのスマートフォンに届くことはありません。気象庁の担当者は、「今後必要な対応を検討していく考え」だとしています。
■緊急速報メールで重要なのは「レベル4かレベル5か」

――緊急速報メールを受け取った際、私たちは何に注意すれば良い?
スマホに届いた避難情報がレベル4なのかレベル5なのか、ということが一番重要です。レベル4避難指示が届いた段階でしたらまだ車や徒歩での避難、移動はできるかも知れませんが、レベル5緊急安全確保がスマホに届いた場合、すでに各地で浸水や土砂災害が発生し、今後さらに浸水エリアが広がっていくようなフェーズです。
外への避難や移動は、車であっても命の危険を伴いますので、レベル5が届いたら無理な移動は絶対にしないようにして下さい。