F1電撃参戦で入賞圏肉薄の角田裕毅は「厄介者」 衝撃オーバーテイクも成功させた“快走”にレーシングブルズ幹部も感嘆「1レース限りの代役なのに…」

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ガスリーとの見応え十分の攻防も見せた角田(C)Getty Images

 最終的には無念のポイント圏外。それでも約8か月ぶりにF1のシートに就いた26歳は、確かなインパクトを残した。

 現地時間8月23日、F1の今季第12戦となるオランダGPの決勝が行われ、レーシングブルズで電撃参戦した角田裕毅は入賞にあと一歩及ばない11位でフィニッシュ。レース終盤までポイント圏を争う好走を披露し、話題を呼んだ。

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 レッドブルと姉妹チームであるレーシングブルズのリザーブ兼テストドライバーとなってから約8か月――。昨季最終戦のアブダビGPを最後にサーキットから遠ざかっていた角田は、アイザック・ハジャー(レッドブル)の欠場によって今月18日に緊急招集を受け、ギリシャのビーチから電撃参戦。「楽しむだけ」と意気込んだ決勝戦でハイレベルな攻防を見せた。

 もっとも、結末は本人も「言い訳の余地がない。完全に僕のミスだ」(チームとの無線にて)と悔やむものとなった。10番手を死守していた残り14周となった58週目に盟友ピエール・ガスリーにオーバーテイクを許し、その後は差を広げられた。

 それでも29週目にガスリーを果敢な攻めを追い抜くなど、スピード自慢の角田“らしさ”は存分に発揮。初乗りマシンを、文字通りぶっつけ本番の状況で運転しているとは思えないドライビングで、周囲をあっと言わせた。

「本当にあと一歩のところでポイント獲得を逃したのは残念だった。だけど、間違いなく今日のレースを本当に楽しめた」

 そう自信を漲らせた角田。そんな日本人ドライバーが見せた好走に対する内容には、周囲の評価も上々だ。

 英専門メディア『The Race』は、今GPの総評記事において「ツノダの比較的にスムーズな適応によって、レーシングブルズはローソンレッドブル招集という小さな嵐を乗り越えた」と称賛。ペナルティを課されて12位に終わったアービン・リンデブラッドの走りを「チームを苦しめた」とした上で、角田に対する評価を続けている。

「ツノダは『厄介者』として見事な働きを見せた。しかし、レース終盤にガスリーからポイント圏を守らなければいけないという状況は、代役としては当然ながら荷が重すぎた。ただ、リンデブラッドを含めて、チームとして最適な走りができていれば、確実にポイントを獲得できていただろう」

 気になるのは、今後の起用だ。左手首を骨折していたというハジャーは、9月4日に開幕する次戦のイタリアGPで復帰予定となっているが、開催地となるモンツァは、時計回りのコースで、高速コーナーでドライバーの左手首に非常に大きな負担がかかるとされている。それだけにレッドブルが怪我の悪化を恐れ、出場を先延ばしにする可能性もある。仮にそうなれば、角田はふたたびレーシングブルズで出走するはずだ。

 果たして、角田がアピールするチャンスはふたたび舞い込むのか。レース後にレーシングブルズのアラン・パーメイン氏は「ユウキがたった1レース限りの代役なのに、あれだけの走りを見せてくれたことは、まさに驚異的だった。土壇場で代役を引き受けてくれたこと、そして週末を通じて懸命に頑張ってくれたことに、心から感謝したい」と語ったが、ふたたびチャンスは与えられるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]