被害にあった山口農園のウメ

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廃業に追い込まれたウメ農家も

 関東三大梅林の一つ越生(おごせ)梅林(埼玉県越生町)のウメがピンチだ。犯人は特定外来生物に指定されているクビアカツヤカミキリ。ウメやサクラの樹に産卵し、幼虫がその内部を食べることで樹が枯死してしまう。すでに越生町で栽培されている約5000本のウメの約1割が被害を受けている。

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【写真を見る】梅林を食い荒らす「犯人」 特定外来生物に指定されている

 同町で100年以上ウメを栽培している山口農園では去年初めてこの虫にやられた。

「11月にウメの剪定をしていたら幼虫が樹を食べ進めて出るフラス(木くずと糞の混合物)があった。それも1本どころじゃありません。20本ほど伐採しなくてはなりませんでした。大損害です」(山口由美代表)

 現在、約300本のウメを栽培しているが、その2割近くが被害に遭っているという。クビアカツヤカミキリは繁殖力が強く、他の樹を守るためには伐採しかない。だが、ウメは実がなるまで15年かかることから、廃業に追い込まれたウメ農家もあるという。

被害にあった山口農園のウメ

日本から梅干しが消える危機

 対策をしようにも、成虫の拡散を防ぐネットはかみ切られない専用素材になり高価。サクラの木に使用している駆除剤は食用にもなるウメには使えない。さらに、耕作放棄地など管理の手が届かないウメが多数あることが、対策をさらに困難にしている。

「越生の大切な一次産業であるウメがなくなってしまう可能性もある」(越生町役場産業観光課梅担当)

 14年前に愛知県で初めて確認され、いまや被害は全国20都府県に及ぶ。これは日本から梅干しが消える危機でもあるのだ。

撮影・福田正紀

「週刊新潮」2026年8月13日・20日号 掲載