【甲子園】智弁和歌山 5年ぶりVへ王手 楠本龍生が織田撃ち決勝3ラン 170キロマシンでの対策実る
◇第108回全国高校野球選手権準決勝 智弁和歌山7―1横浜(2026年8月20日 甲子園)
準決勝2試合が行われ、智弁和歌山は持ち前の強打で横浜(神奈川)を打ち砕き、5年ぶり4度目の優勝に王手をかけた。健大高崎(群馬)は佐藤麻恩(まおん)投手(3年)の投打の活躍で天理(奈良)を1―0で下し、初の決勝進出を決めた。
智弁和歌山の5番・(3年)は、織田の直球を「見える」と感じた。前日練習で、織田対策として打撃マシンの球速を170キロに設定。1打席目は凡退も「170キロぐらい速い。でも、それと同じなら打てる」と目が慣れていたのだ。
3回に追いつき、なおも無死二、三塁。2ボールになり、対策してきた直球に狙いを絞る。「2ボールからは100%直球」とのデータがあったからだ。3球目、152キロ直球を強振すると、その行方を確信して歩き始めた。「行ったと思った。ギリギリでしたけど…」。高校通算21号は右翼席への決勝3ラン。甲子園史でもまれに見る150キロ超を捉えた一発で織田を2回1/3で降ろし、優勝候補本命に打ち勝った。
あの日見た智弁和歌山は憎いほどに強かった。9学年上の兄が田辺工(和歌山)の野球部員で、高3夏の応援に行った。しかし1―15の大敗。その相手が智弁和歌山だった。「俺が智弁を倒すから」。当時、小学3年だった少年は、兄の雪辱を果たしたくて野球を始めた。
中学1年の時、所属チームの甲子園での行事が雨天中止となり、落ち込む母・真弓さん(50)を見て伝えた。「高校で甲子園に連れていくやん」。聖地への思いが募るうち、智弁和歌山は宿敵から憧れの存在に。中学2年までは控え選手で、両親が同校進学を反対しても「絶対に試合に出るから」と言って聞かなかった。
昨春選抜は背番号20。横浜との決勝も織田の投球をベンチから見つめていた。「とにかく練習し、打撃に自信を持てました」。昨春選抜の借りを返す14安打7得点。どんな剛速球にも目が慣れている「強打の智弁」には、5年ぶりの頂点まで、はっきりと見えている。 (河合 洋介)
○…智弁和歌山は甲子園春夏通算78勝目となり、東邦(愛知)を抜いて歴代単独9位に浮上。和歌山勢は夏通算132勝目で京都勢に並ぶ歴代6位となった。

