佐々木(C)ロイター/Imagn Images

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【フラッシュバック “ゴネ得”米挑戦の軌跡】

佐々木朗希は「TJ手術不可避」なのか…160kmと“大きすぎるテイクバック”の代償は渡米前から指摘されていた

■2024年9月の記事①を再掲載

 佐々木朗希が不甲斐ない投球を見せるたび、SNS上では辛辣な声が吹き荒れる。高卒3年目に1試合19奪三振の日本記録、史上最年少の20歳5か月で完全試合を達成するなど投手として圧倒的なポテンシャルを持ちながら、なぜここまで叩かれるようになったのか。

 その背景には、ファンから「ゴネ得」とも揶揄された米挑戦騒動がある。23年オフに大きな物議を醸した古巣ロッテとの泥沼交渉劇、24年シーズンの不完全燃焼、そしてタンパリング疑惑まで取り沙汰されたドジャース入り──。日本球界最後の1年に何があったのか。当時の記事で振り返る。年齢、肩書は当時のまま。

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「年間通して投げたことがないし、ケガも多い。そんなひ弱なカラダでメジャーでやっていけるのか」

 今オフのメジャー挑戦を視野に入れるロッテの佐々木朗希(22)を巡って、こうした声は少なくない。

 最速165キロを誇るストレート、落差が大きくキレ味十分のフォークに加え、スライダーにも磨きをかけている。持っているポテンシャルはメジャー級でも、プロ入り以降、毎年のように故障離脱するなど、体力面の不安があるのは確か。それもあって、ここにきて「今オフのメジャー移籍を断念」と報じる米メディアも出てきた。

 佐々木が「ひ弱」と評されるのは今に始まったことではない。大船渡高3年時のU18合宿で163キロを投げ、登板後に上腕部に張りが出た。「スピードに耐えられる骨、筋肉、関節、靱帯ではない」として、その後の試合では全力投球を控えた。花巻東との夏の岩手大会決勝では登板を回避しただけでなく、打者としても出場せず、大きな波紋を呼んだ。佐々木の方から監督に回避を申し入れたとの話もある。

 少しでもカラダに異変を感じれば自重--。これはロッテ入団後も一貫している。今季は5月と6月の2度にわたりコンディション不良で登録抹消された。2度目の抹消時に吉井監督は「中6日ではきついということだったので抹消した。中6日が難しかったら投げる試合がない」と言及し、復帰時期は佐々木の意思に委ねられた。昨年7月下旬に左脇腹を痛めて離脱した時も、回復して1カ月半ぶりの登板は果たしたが、その後3回目の登板予定を発熱を理由にドタキャン。熱が下がってもなかなか投げようとしなかったという。

 その一方で、高校時代のU18の登板時に右手指のマメを潰したにもかかわらず、続投を志願したことがある。投げたい時も自分の意思を貫こうとするのが佐々木朗希だ。

「周囲がどんな反応を見せようが、我が道を行くタイプです」と、さる球界関係者がこう続ける。

「23年1月には自ら選手会の事務局長に連絡して、脱会を通達。昨オフは自身の代理人弁護士を通じ、球団に対してポスティングによるメジャー移籍の容認を迫った。“アメリカに行かせろ”の一点張りで、球団も対応に苦慮したそうです。この一連の騒動は、選手間でもワガママとみる向きがあるほどです」

 今年11月に23歳を迎える佐々木が今オフにメジャー移籍すれば、「25歳ルール」によってマイナー契約しか結べない。

「佐々木の目標はあくまでメジャーで成功すること。17年オフにエンゼルスとマイナー契約を結んだ大谷翔平の契約金は約2億6000万円、最低年俸の約6200万円だった。6年目のオフにようやくFAとなり、1000億円契約を勝ち取った。朗希もFAで大型契約を勝ち取るには、6年間ケガなく安定して成績を残す必要がある。まして、過去の日本人メジャー投手は、日本時代の疲労蓄積も影響し、大谷に加え、松坂大輔、ダルビッシュらが肘の靱帯を損傷。『トミー・ジョン』手術を受けている。いまフル回転すれば、間違いなく肩肘への負担がかかり、メジャーでのプレーの足かせになりかねない。いくらひ弱と言われても、同僚選手やファンから白い目で見られようとも、このオフ、夢を追いかけて海の向こうへ足を踏み入れるつもりでしょう」(同)

 その佐々木は中7日で先発した30日のソフトバンク戦で7回101球、3安打7奪三振で無失点に抑え、今季7勝目(4敗)を挙げた。