強制送還を歓迎する車まで走っている(C)ロイター

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【トランプ2.0 現地リポート】

軍事大国がなぜ? 米が「兵器枯渇」でイラン戦争は継続困難…トランプ大統領がヘグセス国防長官に激怒!

 トランプ政権による移民の強制送還がエスカレートしている。昨日まで合法だった人が、政策変更により突然、保護と就労資格を失い、送還の危機に直面している。

 トランプ政権ハイチとシリア出身者の一時的保護資格(TPS)を打ち切ることが、この6月最高裁により認められた。これを受け11カ国で打ち切りが発効。政権が対象として進めてきた計13カ国全てに及べば、影響を受けるのは100万人以上となる。

 ハイチ人だけでも約35万人にのぼる。長い人では10年以上合法的に働き、納税し、子どもを育ててきた。

 政権が当初前面に出したのは、「凶悪犯罪者を排除し治安を守る」という説明だった。しかし対象は次第に広がり、合法的に暮らしてきた人から、その資格をとり上げる段階に入った。怖いのは、排除の境界線が少しずつ広がり、「自分は対象外だ」と思っていた人まで巻き込まれ得ることだ。

 また矛盾も明白だ。米国務省はハイチでの犯罪、誘拐、テロ、政情不安などを理由に、「アメリカ人は渡航するな」と勧告している。にもかかわらず、ハイチ人なら帰国しても安全だと主張する。

■「現代の奴隷制度だ」

 さらにオハイオ州では、当局の求めに応じて出頭したハイチ人の一部を拘束し、GPS付きの足首監視装置を装着して釈放している。何も知らずに出頭した男性が監視装置をつけられ、泣き崩れる映像に「現代の奴隷制だ」との声すら出ている。

 TPSの打ち切りの対象である13カ国は、中南米アフリカ中東、アジアの国であり、実質的に非白人系移民に集中している。一方、過去最低水準まで縮小された難民受け入れ枠は、ほぼすべて南アフリカの白人アフリカーナーに割り当てられた。非白人系移民の保護を外し、白人難民だけを歓迎する構図が、人種的選別との批判を招いている。

 トランプ大統領の支持率は3割台前半まで下がっている。その中で移民の強制送還はMAGA有権者の支持が高い。だが100万人を一気に送還するのは物理的に不可能だ。そこで11月の中間選挙に向け、武装した捜査官の大量投入や、足首監視装置などの目に見える方策で、「公約を実行している」と支持層に示す政治的な意図も否定できない。

(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家)