「どうしたらいいんだろう」「すごく悩んでずっと探していた」48kgから15〜16kg増量で主演に挑む横浜流星の“大きな課題”とは 手本となる俳優との初共演に刺激「すごく幸せなこと」「全部吸収しよう」
数々の話題作に出演するなど活躍を続ける俳優の横浜流星。昨年は、出演した映画『国宝』やNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』が話題を集めるなど、第一線を走り続けている。10月期には『最愛』『Nのために』の制作陣によるTBS系金曜ドラマ『LOST10』(毎週金曜22:00〜)で主演を務める横浜が、自身の現在の課題、本作や共演の小栗旬への思いなどを語った。

TBS系金曜ドラマ『LOST10』で主演を務める横浜流星
○「自分を世に出して育ててくれたのは民放ドラマ」「恩義があります」
本作は、壮大な北海道を舞台に描くヒューマンサスペンス・エンタテインメント。北海道で起きた登山ツアーの遭難事故は、単なる事故かと思いきや生存者の証言は食い違い、次第に不穏さを帯びていく。主演の横浜は、北海道警察支樺署の刑事の小駒(おごま)を演じる。フリーの保険調査員・直(なお)役で小栗旬が共演。脚本は、映画『国宝』や連続ドラマ『最愛』『Nのために』などの奥寺佐渡子氏が担当。『最愛』『Nのために』などの新井順子氏がプロデューサーを務め、演出を塚原あゆ子氏が担当する。
昨年放送されたNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』では、“蔦重”こと蔦屋重三郎役で主演を務めた横浜。俳優として確固たるキャリアを築く中、「大河後、一発目(の作品)は大事だなと思っていた」という横浜は、本作への主演オファーをどのように受け止めたのか。
「大河ドラマの最中にもお話はしていて。当初は、映画をと思っていたのですが、自分を世に出して育ててくれたのは民放ドラマなので恩義があります。そして新井さん、奥寺さん、塚原さんという大好きなチームとご一緒できること、小栗さんともご一緒できることに胸が高鳴っていたので、全力でこの作品に挑もう、という気持ちでいました」
本作の脚本を読んで「挑戦を感じた」と横浜は言う。
「サスペンスだけど、根底には人間愛があって。緻密な心理描写に、すごく心を揺さぶられています。奥寺さんが書くものはすべて好きですが、今回は少し挑戦を感じるというか……。奥寺さんは、人間の業や愛、闇など人間を中心に書く人だと思っていて。『人間を中心に書く』という魅力は変わらず、社会に切り込んでいくところに挑戦を感じていますし、そこに乗っかれるのはうれしく思っています」

○刑事役として違和感のない体形に
演じる小駒は、北海道警察支樺署の刑事で、横浜は小駒を「分かりやすい人間」だと捉えている。また、年齢が今年30歳になる自身と同じであり、「重なるところがある」という。
「正義感があって、行動力があって、豪胆で短絡的。出世欲もあって、何度も異動届けを出しているけど認められない。地方の高齢化が進んでいる警察署の中では一番の若手だけど、30歳なので新米と中堅の間にいて、だからこそ葛藤がある。自分も今年で30歳。いろいろと経験を重ねてきたからこそ間に挟まれているような感覚はあるし、そこは重なるところがあります。小駒は、自分の正義が出すぎて衝突するし、そこで葛藤やいろいろな揺れがある。そういう心の繊細さはすごく大切だと思っています」
小駒を演じるにあたって、意識していることのひとつが体作り。昨年、大きく落とした体重を増量し、刑事として違和感のない体形に仕上げたという。
「筋トレや食事を多く摂るなどして体重を増やしています。足で稼ぐ刑事なので、常に体を動かせる健康体に見えるように。ただ、昨年48kgぐらいまで落としてしまったので、そこから15、16kg、頑張って増やして臨んでいるんですけど……。保険調査員である(直役の)小栗さんの体が大きいので、そこに負けないように(笑)。小栗さんを見て自分を鼓舞しています」

○共演の小栗旬から刺激「人としても芝居でも学ぶことが多い」
昨年『べらぼう』で主演を務め、心境にも変化があった。
「作品を背負う覚悟や責任感は、人一倍強くなったと思います。ただ、自分は声を上げてみなさんを引っ張っていくタイプではない。だから現場に立って、その背中を見てついてきてくれたらうれしいな、と。それを意識してはいるんですけど、やっぱり小栗さんがいてくださるので、その存在は大きいです」
そんな小栗について、「現場でみんなと同じ目線に立ってくださる、温かくて引っ張ってくださる方。同じ目線に立ってくださるからこそ、どんな人にも好かれるし、人間力がある方だと思います。人としても芝居でも、学ぶことが多いです」と尊敬の眼差しを向ける。自身の“課題”を解決するうえでも、大きな存在のようだ。
「自分の中で、今は“脱力感”や“抜け感”を大きな課題にしているんです。役や作品も関係あると思うけど、ひとつのことに集中して入り込んでしまうんです。そこに対して、いろいろな方から指摘をもらって。李(相日)監督にも、『真っすぐさ、ストイックさは分かったらから、抜け感や脱力感があるといいよね』とアドバイスをいただきました。どうしたらいいんだろうとすごく悩んで、ずっと探していたんです。小栗さんは、その抜け感や脱力感を自由自在に操られる方。小栗さんと出会ってお芝居できていることはすごく幸せなことだし、全部吸収しようと思っています」

作中の小駒と直にも、横浜と小栗の関係性を重ねている。
「小駒は一直線で動く人物だけど、組織にいるから身動きが取れない。でも、直は自由に動くし、小駒はそんな直をうらやましく思う。小駒は北海道の地方にいて小さな世界しか知らないけど、直は東京にいて自分の知らない世界を知っている。だから小駒は直に感化されていく。(直は)人としても魅力的に思うところがあって、それも自分と小栗さんの関係性に重なると思っています」
そんな横浜が思う、このドラマの見どころとは?
「この作品において大切な言葉があるんです。それが直が言う『すべてを疑え』。昨今、SNSの声などを見ても、何が本当で嘘なのか分からない世になっていると思う。そうした中で、真実を見つけるためにすべてを疑って……というのは、まさに自分もやりたかったと思っていたこと。小駒の場合、人を信じていて、(言われたことを)鵜呑みにしちゃう。でも、自分から見えるもの、実際のもの、他人から見えるものは全然違ったりもする。情報があふれているから、惑わされるところもある。だからこそ、すべてを疑う。でも、疑うのは信じたいからだし、それが見てくださる方にも伝わればいいと思います」
(C)TBSスパークル/TBS
河鰭悠太郎 かわはたゆうたろう エンタメ(映画・ドラマ・漫画・芸能)を中心に取材・執筆するライター。出版社やWebニュース編集部を経て、現在はフリーランスとして活動中。俳優や映画監督、漫画家など人物インタビューの実績多数。 この著者の記事一覧はこちら

○「自分を世に出して育ててくれたのは民放ドラマ」「恩義があります」
本作は、壮大な北海道を舞台に描くヒューマンサスペンス・エンタテインメント。北海道で起きた登山ツアーの遭難事故は、単なる事故かと思いきや生存者の証言は食い違い、次第に不穏さを帯びていく。主演の横浜は、北海道警察支樺署の刑事の小駒(おごま)を演じる。フリーの保険調査員・直(なお)役で小栗旬が共演。脚本は、映画『国宝』や連続ドラマ『最愛』『Nのために』などの奥寺佐渡子氏が担当。『最愛』『Nのために』などの新井順子氏がプロデューサーを務め、演出を塚原あゆ子氏が担当する。
昨年放送されたNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』では、“蔦重”こと蔦屋重三郎役で主演を務めた横浜。俳優として確固たるキャリアを築く中、「大河後、一発目(の作品)は大事だなと思っていた」という横浜は、本作への主演オファーをどのように受け止めたのか。
「大河ドラマの最中にもお話はしていて。当初は、映画をと思っていたのですが、自分を世に出して育ててくれたのは民放ドラマなので恩義があります。そして新井さん、奥寺さん、塚原さんという大好きなチームとご一緒できること、小栗さんともご一緒できることに胸が高鳴っていたので、全力でこの作品に挑もう、という気持ちでいました」
本作の脚本を読んで「挑戦を感じた」と横浜は言う。
「サスペンスだけど、根底には人間愛があって。緻密な心理描写に、すごく心を揺さぶられています。奥寺さんが書くものはすべて好きですが、今回は少し挑戦を感じるというか……。奥寺さんは、人間の業や愛、闇など人間を中心に書く人だと思っていて。『人間を中心に書く』という魅力は変わらず、社会に切り込んでいくところに挑戦を感じていますし、そこに乗っかれるのはうれしく思っています」

○刑事役として違和感のない体形に
演じる小駒は、北海道警察支樺署の刑事で、横浜は小駒を「分かりやすい人間」だと捉えている。また、年齢が今年30歳になる自身と同じであり、「重なるところがある」という。
「正義感があって、行動力があって、豪胆で短絡的。出世欲もあって、何度も異動届けを出しているけど認められない。地方の高齢化が進んでいる警察署の中では一番の若手だけど、30歳なので新米と中堅の間にいて、だからこそ葛藤がある。自分も今年で30歳。いろいろと経験を重ねてきたからこそ間に挟まれているような感覚はあるし、そこは重なるところがあります。小駒は、自分の正義が出すぎて衝突するし、そこで葛藤やいろいろな揺れがある。そういう心の繊細さはすごく大切だと思っています」
小駒を演じるにあたって、意識していることのひとつが体作り。昨年、大きく落とした体重を増量し、刑事として違和感のない体形に仕上げたという。
「筋トレや食事を多く摂るなどして体重を増やしています。足で稼ぐ刑事なので、常に体を動かせる健康体に見えるように。ただ、昨年48kgぐらいまで落としてしまったので、そこから15、16kg、頑張って増やして臨んでいるんですけど……。保険調査員である(直役の)小栗さんの体が大きいので、そこに負けないように(笑)。小栗さんを見て自分を鼓舞しています」

○共演の小栗旬から刺激「人としても芝居でも学ぶことが多い」
昨年『べらぼう』で主演を務め、心境にも変化があった。
「作品を背負う覚悟や責任感は、人一倍強くなったと思います。ただ、自分は声を上げてみなさんを引っ張っていくタイプではない。だから現場に立って、その背中を見てついてきてくれたらうれしいな、と。それを意識してはいるんですけど、やっぱり小栗さんがいてくださるので、その存在は大きいです」
そんな小栗について、「現場でみんなと同じ目線に立ってくださる、温かくて引っ張ってくださる方。同じ目線に立ってくださるからこそ、どんな人にも好かれるし、人間力がある方だと思います。人としても芝居でも、学ぶことが多いです」と尊敬の眼差しを向ける。自身の“課題”を解決するうえでも、大きな存在のようだ。
「自分の中で、今は“脱力感”や“抜け感”を大きな課題にしているんです。役や作品も関係あると思うけど、ひとつのことに集中して入り込んでしまうんです。そこに対して、いろいろな方から指摘をもらって。李(相日)監督にも、『真っすぐさ、ストイックさは分かったらから、抜け感や脱力感があるといいよね』とアドバイスをいただきました。どうしたらいいんだろうとすごく悩んで、ずっと探していたんです。小栗さんは、その抜け感や脱力感を自由自在に操られる方。小栗さんと出会ってお芝居できていることはすごく幸せなことだし、全部吸収しようと思っています」

作中の小駒と直にも、横浜と小栗の関係性を重ねている。
「小駒は一直線で動く人物だけど、組織にいるから身動きが取れない。でも、直は自由に動くし、小駒はそんな直をうらやましく思う。小駒は北海道の地方にいて小さな世界しか知らないけど、直は東京にいて自分の知らない世界を知っている。だから小駒は直に感化されていく。(直は)人としても魅力的に思うところがあって、それも自分と小栗さんの関係性に重なると思っています」
そんな横浜が思う、このドラマの見どころとは?
「この作品において大切な言葉があるんです。それが直が言う『すべてを疑え』。昨今、SNSの声などを見ても、何が本当で嘘なのか分からない世になっていると思う。そうした中で、真実を見つけるためにすべてを疑って……というのは、まさに自分もやりたかったと思っていたこと。小駒の場合、人を信じていて、(言われたことを)鵜呑みにしちゃう。でも、自分から見えるもの、実際のもの、他人から見えるものは全然違ったりもする。情報があふれているから、惑わされるところもある。だからこそ、すべてを疑う。でも、疑うのは信じたいからだし、それが見てくださる方にも伝わればいいと思います」
(C)TBSスパークル/TBS
河鰭悠太郎 かわはたゆうたろう エンタメ(映画・ドラマ・漫画・芸能)を中心に取材・執筆するライター。出版社やWebニュース編集部を経て、現在はフリーランスとして活動中。俳優や映画監督、漫画家など人物インタビューの実績多数。 この著者の記事一覧はこちら
