阪神・藤川球児監督【写真:井上学】

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同率首位で迎えた直接対決3連戦に3連勝、今月2日燕戦に続く2セーブ目

■阪神 3ー2 巨人(13日・東京ドーム

 阪神は13日、敵地・東京ドームで行われた巨人戦に3-2で競り勝ち、同率首位で迎えた直接対決3連戦に3連勝。リーグ連覇へ前進した。ともにリリーフで最速が160キロを超える工藤泰成投手と木下里都投手の“快速球コンビ”が飛び切りの存在感を放った。

 わずか1点リードで9回の守備に就いた。首位攻防3連戦3連勝が懸かった痺れるイニングだが、通算131セーブの実績を誇る岩崎優投手は、既に8回に登板し無失点に抑えていた。さらに、藤川球児監督が9回のマウンドを託したのは、今季19セーブをマークしているラファエル・ドリス投手でもなかった。

 工藤泰成投手。2024年育成ドラフト1位で阪神入りし、1年目の昨季支配下登録を勝ち取り1軍で18試合登板の実績を積むと、今季は38試合に登板し防御率1.11(成績は13日現在、以下同)と進境著しい。自己最速の163キロも計測し、飛躍を遂げている24歳の右腕である。

 先頭の大城卓三捕手を右飛に仕留めた後、1発のあるトレイ・キャベッジ外野手に対しては4球連続フォーク攻め。バットに3度空を切らせ三振に斬って取った。そして続く20歳の新鋭・石塚裕惺内野手を、160キロを計測したストレートで追い込み、最後も外角低めの156キロにバットを出させず、見逃し三振で試合を締めくくった。

 工藤は今月2日のヤクルト戦(神宮)でも1点リードの9回に登板し、1回1安打無失点でプロ初セーブを挙げている。しかし、現役時代にヤクルト、阪神など4球団で通算21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「注目度も高い重要な巨人戦で、1点差でセーブを挙げたことは相当自信になったでしょう。チームにとっても、それだけで戦力アップになります」と指摘する。

 一方、最速161キロの25歳・木下が登板したのは1点リードの6回だった。こちらは2三振を奪い3者凡退に抑えた後、続く7回も続投を命じられた。先頭のキャベッジを157キロの速球で空振り三振させ、2死後に四球で走者を許し、1発逆転の状況で代打・丸佳浩外野手を迎えたが、内角低めにフォークを投げ切り空振り三振に仕留めた。今季26試合に登板し、防御率2.03をマークしている。

石井大智アキレス腱断裂、及川雅貴も不振で一抹の不安

「工藤も木下も自信満々で、“打てるものなら打ってみろ”という感じで投げているところがいい」。野口氏はこう評した上で、「藤川監督は自身が現役時代、当時の岡田彰布監督の下で“JFK”の一翼を担ったように、自分の手で勝利の方程式を担う若手投手を育てようとしているのだと思います。35歳の岩崎がまだなんとかなっているうちに次を準備しておきたいのではないでしょうか」と指揮官の意図を読む。

 阪神のリリーフ陣は今季、昨季53試合登板・防御率0.17の石井大智投手が左アキレス腱断裂で未登板。昨季66試合・防御率0.87の左腕及川雅貴投手も今季は防御率4.00と振るわず、一抹の不安がある。だからこそ、若き160キロオーバーコンビの成長は、まばゆいばかりの光明だ。この2人はともに12、13日の巨人戦に連投し、失点しなかった。

 今季だけに限らない。現役時代にはジェフ・ウィリアムス氏(現駐米スカウト)、久保田智之氏(現2軍投手チーフコーチ)とともに“JFK”トリオで7、8、9回を担い、一世を風靡した藤川監督。今季は熾烈な首位争いを展開しつつも、近い将来を視野に“令和のJFK”づくりへ向けた布石も打っているようだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)