JRT四国放送

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阿波踊り、実はかつて移民として徳島から南米に渡った日系人のたちの間でも、40年以上に渡って受け継がれてきた歴史があります。

この夏、ブラジルからやってきた日系人の踊り子3人が8月12日、初めて本場・徳島の阿波踊りに挑戦しました。

その思いとは。

❝7月24日・阿波おどり空港❞

7月24日、3人の日系ブラジル人が徳島へやってきました。

この3人、実は遠くブラジルで阿波踊りに取り組む踊り子たち。

この夏、初めて本場の踊りに挑みます。

3人が参加するのは「四国大学連」です。

来日以来、約3週間、阿波踊り本番へ向けて練習を重ねてきました。

日系3世の大貫エライネさん31歳、男踊りに挑戦します。

同じく日系3世、ダコスネ 林 ルイーザさん33歳、今回、初めての来日です。

日系2世のクリスティーナ高野さとみさん、来日3度目にして初の徳島です。

3人の両親や祖父母同様、かつて多くの日本人が、移民としてブラジルへ渡りました。

夢を抱いて海を渡ったものの、慣れない農園での仕事にみな、筆舌に尽くしがたい苦労を強いられたと言います。

そんな彼らを支えたのが、ふるさとのリズムと阿波踊りだったのかもしれません。

現在ブラジルには200万人以上の日系人が住んでいますが、彼らの間で阿波踊りは40年以上にわたって受け継がれてきました。

3人が加盟する「レプレーザ連」も、そんな担い手グループの一つです。

しかし、そんな3人を苦しめたのが、このところの日本の異常ともいえる暑さ。

こまめに休憩を取りながら練習に励みます。

(記者)
「日本の夏は暑い?」

(クリスティーナさん)
「暑い、蒸し暑い」

(記者)
「ブラジルより暑い?」

(クリスティーナさん)
「はい」

練習を重ねるうち、学生たちと気心も知れてきました。

(クリスティーナさん)
「ブラジル人は緊張しているときは、チョコレートいっぱい食べる」

阿波踊りがつなぐ国際交流。

(四国大学・美世彩葉さん)
「国際の学科なのですが、自分の英語の勉強にもなるし、ブラジルのことも聞けていい機会だと思う」

3人ともブラジルで長年踊ってきましたが、本場・徳島の阿波踊りは少し違いました。

(四国大学・勝浦 千尋さん)
「もう少し滑らかに指を動かす」

細部にまでこだわるのが、本場の阿波踊りです。

(クリスティーナさん)
「20年か30年前に習った阿波踊りとは、違ってきた感じです」
「新しい阿波踊りを覚えて、ブラジルにまた、みんなに教えるようにします」

そう、彼らの一番の目的は本場・徳島の阿波踊りを体で学び、ブラジルへと持ち帰ること。

国籍はブラジルでも、私たちのルーツはここにあるから。

3人の特別な夏が、まもなく始まろうとしています。

❝8月12日❞

本番当日。

ブラジルから「レプレーザ連」の連員たちも、応援に駆けつけました。

全員が初めての、徳島の阿波踊りです。

本番前、着付けの時間。

果たして練習の成果は発揮できるのか。

本場のお客さんに笑われないだろうか。

にわかに緊張感が高まります。

(クリスティーナさん)
「すごく緊張です、ダメです」

❝南内町演舞場 開幕❞

心静かに出番を待ちます。

そして迎えた本番。

満員の観客が見守るなか、「四国大学連」が踊りこんできました。

遠くブラジルの地で、夢にまで見た本場・徳島での阿波踊りです。

いざ始まってしまえば、あっという間。

それぞれが全力で6分間、約120メートルの桟敷を駆け抜けました。

(記者)
「踊ってみてどうだった?」

(クリスティーナさん)
「最高でした、本当に嬉しいです。泣きたいくらいです」

(エライネさん)
「嬉しい、とても嬉しいです」

❝午後9時30分 最後の桟敷・両国本町演舞場❞

夜も更け、この日 最後の舞台は両国本町演舞場です。

(四国大学連員)
「みんなで笑顔で踊れたらいい」

無料演舞場ならではの自由さで、いくつかの連が一緒になってこの日、最後のひと踊りです。

クリスティーナさん、教えられたとおりの手の動き、リズムもバッチリ。

ルイーザさん、長い手足を活かした美しいパフォーマンスです。

エライネさん、最大の魅力はこの笑顔。

多くの観客に見守られ、無事、踊り終えました。

約3週間にわたって取り組んできた本場・徳島の阿波踊り。

その挑戦がようやく今、終わりました。

ブラジルから駆け付けた、「レプレーザ連」の仲間たちも3人をねぎらいます。

(応援に来た日系ブラジル人)
「素晴らしいね」

( エライネさん)
「ブラジルと日本は遠いけど、人生に一度は感じてほしいので、この阿波踊りのエネルギーをブラジルに帰って伝えたい」

( ルイーザさん)
「おばあちゃんが日本からブラジルに行きました。きょうは、おばあちゃんや家族の顔を思いながら踊りました」

(クリスティーナさん)
「阿波踊りを踊るという誇りを感じたので、それをブラジルのみんなに伝えて」
「もっともっと、いろんな人が阿波踊りを踊ってもらえるように、活動したいと思う」

(記者)
「また阿波踊り来たい?」

(クリスティーナさん)
「必ず来ます、来年また来たい」

かつて移民たちの心の支えだった阿波踊り。

歴史にこの日、新たな1ページが刻まれました。