京都府南丹市で遺体で見つかった安達結希くんと、学生時代の安達優季被告

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 京都府南丹市の雑木林で、市立園部小の安達結希くん(享年11)の遺体が見つかった事件。京都地検は5月28日、養父の会社員・安達優季被告(37)を殺人罪と死体遺棄の罪で起訴した。起訴状によれば、被告は3月23日、市内の多目的トイレ内で結希くんの首を絞めて殺し、その後に遺体を雑木林など3か所に移動させて、最終的に遺棄したとされる。

【写真多数】手には結希くんの捜索願のチラシが… 防犯カメラが捉えていた安達優季容疑者の姿。他、卒業アルバムに掲載されていた「笑顔写真」

 世間を大きく賑わせた事件からおよそ4か月が経った。現地には、その残り香が今も強く残っていた。【前後編の前編】

 安達被告は昨年12月、当時シングルマザーだった結希くんの母親と結婚したばかりだった。遅くとも今年に入ってから、南丹市の山間部にある妻の実家で、結希くんの祖母らとともに暮らしていた。安達家と親交のある別の人物も当時、こんな証言をしている。

「Aさん(結希くんの祖母)は心から結希くんを可愛がっておりました。捜索の早い段階から『あんた(安達被告)ちゃうか』言うて、疑ってはったんです」

 息子を手にかけたとされる殺人犯と、少なくとも3週間以上、ひとつ屋根の下で過ごした結希くんの母や祖母ら。"疑惑"が確信に変わっていくなか、彼女らはどんな思いを抱いたのだろうか──。

日本中が見守った事件の推移

 結希くんが行方不明になったのは、園部小で卒業式があった日のことだ。在校生として式に参加するはずだった結希くんは、自宅で親族と朝食を済ませ、安達被告の運転する車で学校へ。男は当初、結希くんは学校の敷地内で降車したとしたと説明していたが、事実は異なっていた。

「卒業式の8時ごろ、学校付近の防犯カメラには安達被告の車が映っており、学校の関係者にも『自分の車です』と認めていた。しかし逮捕後の京都府警の調べでは、男は結希くんを車から降ろさずにそのまま自宅方面へ引き返し、道中の公衆トイレ内で犯行に及んだと判明しています。

 被告は府警に『(息子に)本当の父親じゃないと言われ、カッとなって衝動的に殺した』『ひとりでやった』と供述しています」(大手紙在阪記者)

 失踪の翌日には地元の消防団や有志が捜索を開始。2日後の夕方には府警が顔写真などを公開し捜査に踏み切っている。南丹市消防団長の野中大樹さんが当時を振り返る。

「消防団に正式な要請があったのは失踪翌日の午前中です。ご両親がそろって市役所にお見えになりました。

 奥さんは非常に気丈な振る舞いでした。泣いてもおられないし、なんとしても結希くんを探し出すという強い気持ちが感じられた。一方、被告の方はとにかく下を向いて『お願いします。お願いします』と頭を下げておりました。危機管理課の職員も同席していますが、振り返っても彼を疑う余地はまったくなかった。

 消防団は3月24、25、28日と捜索をしているんですが、被告はそれぞれの日に『よろしくお願いします』と我々に頭を下げにこられている。本人が息子さんの顔写真の載っているポスター配りまでやっていたそうですから、なおさら彼を犯人とは誰も思わなかったでしょう」

 しかし府警は早くから養父について、被疑者の可能性があるとみていた。失踪後に当局に提出された男の車のドライブレコーダーは、一部が不自然に消去されていたこともわかっている。捜索の責任者だった野中さんも、心中では単なる"失踪事件"ではないことを察していたようだ。

「早い段階から、警察犬や鑑識が捜索に参加していましたから。『この場所に消防団はこないでほしい』という要請も多々ありました。我々は結希くんを無事に保護することばかり考えていましたが、警察の動きを見ていたら嫌でも事件性があることはわかりましたよ。

 そもそもあれだけの人数で捜索や聞き込みをして、こんな小さな町で"誰も見ていない"ということ自体がありえんと思ってはいましたが……最悪の結果になってしまい、本当に無念です」(同前)

海外からも献花…親族らの複雑な心情

 地元では現在、事件について話す人はめっきり減ったようだ。しかし結希くんの死を悼む人は絶えない。殺害現場となったトイレ付近で飲食店を営む女性が語る。

「だいぶ落ち着きましたが、今もちらほらトイレに献花をしていく人がいます。少し前には名古屋から夫婦が車で来て、サッカーボールと花を供えていきはった。海外からわざわざ献花しにくる方もいましたよ。香港の観光客が事件のニュースをみて、旅行の合間に手を合わせにきたこともありました。それほど大事件だったのだと、つくづく感じます」

 結希くんの母と祖母を知る地元住民が続ける。

「花を供えにきてくれる人について、結希くんのおばあちゃんも初めは"ありがたい"と感じていたようですが、最近は『時間がだいぶ経ったし、お気持ちはもう十分』と思っているそうです。

 事件後、報道関係以外のYouTuberや配信者などにも実家が知られてしまい、お母さんは引きこもりがちになってしまったみたい。家の周りに、他府県ナンバーの車が来ることもあり、怖い思いをすることもあったとか。本人は何も悪くないのに、周りの目が怖くなってしまってかわいそうです。

 実家の畑を手伝うなどして、少しずつ普段の生活を送ろうとはしているみたいですが。立ち直るのにはまだ時間がかかるでしょうね」

 最も身近な人物が、愛する家族を手にかけた張本人だった──。残された家族の心中は、察するに余りある。

 安達被告の公判を控えるなか、NEWSポストセブンは結希くんの家族にも取材を試みた。事件後、初めて得られた祖母の肉声と、結希くんの逝去を受けた南丹市の"変化"について後編で詳報する。

(後編につづく)