延長コードにも盗聴器が(写真提供/株式会社ティー・アール・エス)

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「トクリュウ」こと匿名・流動型犯罪グループによる凄惨な犯行が相次いでいる。こうした犯行グループは事前にターゲットの情報を調べ上げていることが多い。なかでも、危険性が指摘されているのが“盗聴器”の存在だ。前編【トクリュウ「闇バイト窃盗犯」は“下見”だけでなく“盗聴”も!? 専門家が明かす「盗聴器が見つかるのはどのお宅でも“同じ場所”です」】に続き、盗聴器の調査を手掛ける株式会社ティー・アール・エスの酒井賢一代表に話を伺った。

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「犯人が家庭内の事情に通じているとしか思えません」

 かつて酒井氏は、一度ならず2度、3度と繰り返し空き巣の被害に遭った個人宅の調査を請け負ったことがあるという。

延長コードにも盗聴器が(写真提供/株式会社ティー・アール・エス)

「同じ家が何度も空き巣に入られる事態は、偶然とは考えられません。一度でも被害に遭えば、その後は戸締りを厳重にしたり、監視カメラを設置するなどの対策を講じたりするものですからね。それでも繰り返し被害に遭ってしまうのは、犯人がよほど家庭内の事情に通じているとしか考えられません。犯人が同一人物とは限りませんが、その可能性は高い。それで、不審に思った被害者の方から依頼を受けて調査を行ったところ、予想通り盗聴器が見つかったというわけです」

 安閑とした地方では、いまでも玄関や裏口の戸締りをしない個人宅は少なくない。むしろ、夏場には玄関ドアを開放している家もあるだろう。

「のんびりとした田舎ならではの、日本の原風景が残っているとも言えそうな地域ですね。それはとりもなおさず、日本が誇る治安の良さの賜物と言えるでしょう。かつては“水と安全はタダ”なんて言葉もあったくらい、世界でも有数な治安の良さを誇りました。大都市でも周辺の地域によっては、この時期に玄関ドアに施錠をしなかったり、庭に面したサッシを網戸にしたりという家は少なくありません。風通しを良くして、少しでも涼しくしたい、エアコンにかかる電気代を節約したい、といった理由からでしょうが、この無防備さこそが、いまでは空き巣犯だけでなく、凶暴なトクリュウがつけ込むスキになっていることを忘れてはいけません」

帰省したら不審者の有無の確認を

 まもなくお盆の時期。トクリュウのターゲットにされそうな心当たりがある場合、故郷に帰省したら、どんなことに気をつけるべきなのか。

「まずは見慣れない人や車を見かける機会があったかどうかを確認して欲しい。地元で暮らすご家族だけでなく、近所や商店の方など、とにかくご自宅の周辺に住む方々に確認することが大切です。もしも、防犯カメラが設置されているのであれば、面倒がらずに早送りでも構わないのでチェックすることも大切ですね」

 防犯カメラはどこまで有効なのか。犯罪を未然に防ぐ力にはなり得るのだろうか。

「トクリュウでも単独の空き巣犯でも、現金や金目のものを手に入れようとしていることに変わりはありません。つまり、収穫を手にできるなら入る家はどこでも良いんです。であれば、犯行の後で捜査に利用されるカメラ映像に映るようなリスクはできるだけ避けて、カメラが設置されていないところを優先するのは当然です。抑止力を高める意味でもカメラの設置は有効な手段だと思います。

選ぶべき防犯カメラとは

 ひと口に防犯カメラと言ってもさまざまな種類があるが、酒井氏はとくに選ぶべきタイプもあると強調する。

「ドーム型のタイプは店舗やオフィス、公共施設でも比較的多く見かけます。これはあまり目立たなくてスマートな見た目で、広い角度を撮影できるモデルもあって人気のようですが、トクリュウを念頭に置いた対策であれば、私は別のモデルをおススメしたいと思います。それはバレット型やボックス型と呼ばれるもので、簡単に言えばカメラのレンズが露出しているタイプです。何といってもカメラとしての存在感があるので、他のタイプより犯罪抑止効果を期待できる。中には録画中であることを示す、赤いLEDランプが点灯するものもあるので、より効果が望めます。“私の家は防犯対策に取り組んでいます”“トクリュウや空き巣を警戒しています”といったメッセージにもなるでしょう。だた、自宅がやや厳ついイメージになるかもしれませんが……」

 手っ取り早く、盗聴器の一掃を図る裏ワザもあるという。

「それは、実家で利用している電源タップをすべて新しいものに交換してしまうことです。コンセントに直接差し込む小型のタイプや、延長コード付きのものまで、さまざまですが、電源タップにも3年から5年の寿命があります。帰省したタイミングで新しいものにするのですが、その際には目立たないようにマジックペンで印をつけたり、小さなシールを貼ったりすると良い。自分が設置したマルチタップである交換の時期もメモしておけば、それが自分や家族が設置したものであることを示す目印になりますから」

 日常的な防犯への取り組みは、トクリュウをはじめとする窃盗犯に対する抑止力となる。“ウチは大丈夫”と過信せず、お盆のタイミングで“まさかの事態”への備えを検討してはどうだろうか。

 前編【トクリュウ「闇バイト窃盗犯」は“下見”だけでなく“盗聴”も!? 専門家が明かす「盗聴器が見つかるのはどのお宅でも“同じ場所”です」】では、なぜ“どこの家にもある共通の部屋”に盗聴器が仕掛けられるのか解説している。

デイリー新潮編集部