「どこよりも安く」覚醒剤を売っていた…逮捕された「幸平一家」系元組員の“辣腕”と”評判”

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逮捕された元組員の男

7月31日の朝8時すぎ、警視庁光が丘署から姿を現したのは指定暴力団住吉会の2次団体『幸平一家』系の元組員・天羽清史容疑者(60)だ。黒い長袖のTシャツにジャージ姿。髪は茶髪で胸元にサングラスのようにメガネを引っかけている。

肩で風を切るように歩き、終始眉間にはシワ、口元はへの字に曲げた不機嫌な様子で護送の車へと乗り込んでいった。よほど逮捕が不服だったのだろうか──。

天羽容疑者が覚醒剤取締法違反(営利目的譲渡)の疑いで逮捕されたのは7月29日のことだった。

「練馬区北町の自宅近くの商業施設前で、山梨県の50代男性に覚醒剤約10gを15万円で売った疑いです。光が丘署がこの50代男性を5月に逮捕したところ、入手先として天羽容疑者の名前を供述したことで逮捕に繋がったそうです。

天羽容疑者は“天羽のおっちゃん”と呼ばれ、相場よりも安く覚醒剤を売ってくれる売人としてその筋では知られており、購入代金を振り込んだ客に自宅近くのファミレスや健康ランドの前などで渡していたようです。

天羽容疑者は調べに対し『この件に関してはやっていませんし、黙秘します。やってないから署名や拇印もしない』と容疑を否認していますが、警察は余罪があるとみて、調べを進めています」(全国紙社会部記者)

幸平一家に絡む覚醒剤事件の摘発が続いている。4月15日には傘下組織の組員の男(30)が覚醒剤取締法違反(営利目的輸入)で逮捕された。アメリカから国際宅配便で覚醒剤約5㎏(末端価格2億7000万円相当)を東京都練馬区の住宅に送り、密輸した疑いだった。

また、5月12日には新宿区や港区などの路上で複数の客にコカインを売り渡したほか、新宿のマンションで覚醒剤やコカインなどの違法薬物約4500万円相当を所持したなどの疑いで、幸平一家傘下組員の34歳の男が再逮捕されている。

この男は’23年から密売グループを結成。「闇バイト」で売人を募って都内で活動しており、数千万円相当を売り上げていたとみられる。一連の捜査でこの男が逮捕されたのは6回目だった。

警察は大きなカードを手に入れた!?

一連の摘発と天羽容疑者の逮捕は関連しているのだろうか。裏社会ジャーナリストの石原行雄氏に聞いた。

「天羽容疑者はかつて幸平一家系の板橋のある組に所属していましたが、代替わりした親分と反りが合わず、破門されたようです。破門されると全国の組織に廻状が回って極道の世界ではやっていけなくなるのですが、表向きはそうでも個人的なつきあいはそのままというケースが近年は増えている。天羽容疑者もシノギには困らなかったようです。

天羽容疑者は“腰が低くてカネをごまかさない”と評価が高かったといいます。ブツを確実にさばいてくれるから、住吉会としても取り引きは続けたかったのでしょう。天羽容疑者にしても破門されたことで上納金がなくなり、以前より稼げるようになったのではないか」

売人としては、かなり目立つ存在だったようだ。

「覚醒剤約10gを15万円で売っていたと報じられていましたが、。天羽容疑者は1gあたり1.5万円だから確かに安い。暴力団同士の取り引きや、昔からの馴染み客がまとめ買いするときのような価格です。

今回の取り引きも10gという量ですから、まとまった量ではありますね。天羽容疑者は5~6回服役していると聞いているので、そのときにできたネットワークも広いでしょう。馴染みの客相手だけでも商売が回せていたかもしれません。

これだけ安く売ることが可能だったのは、強力な仕入れルートを持っていたから。警察はかなり前から目をつけて捜査をしていたのではないでしょうか。4月、5月に摘発された件と同時進行で調べていた可能性があります。

今回、警察は天羽容疑者を逮捕したことで、彼のスマホも押さえているでしょう。その中にある顧客や取引先の情報は、幸平一家の覚醒剤捜査のうえで大きなカードになります」

幸平一家をめぐる覚醒剤ルートが白日のもとに晒されつつあるようだ──。

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