「しまむら」が過去最高益を更新…「ダサい」イメージが一変、Z世代の心をつかむワケ
「しまむら」が過去最高益を更新
かつては“安いけどダサい”というイメージが先行していたが、どのようにしてZ世代以降の若者たちの心を掴んだのか?
全国に直近で2278店舗(単体では1423店舗)を展開する大型衣料品チェーン「しまむら」が、6年連続で過去最高益を更新した。しまむらが公表した2026年3〜5月期の連結決算によると、純利益は128億5700万円で前年同期比19.0%増となっている。現在しまむらは国内のアパレル小売業界において、ユニクロを運営するファーストリテイリングに次いで、売上高2位の地位を確立しているほどだ。
しまむらは“しまラー”や“しまパト”(しまむらパトロールの略)といったワードが生まれたように、現在は若い世代を中心に厚い支持を受けている。そういった背景もあり、公式SNSで新作の発表があると、2000件以上の“いいね”が付くことも珍しくないのである。
低価格で着こなしやすいファッションアイテムはもちろんだが、特に若い女性たちから人気となっているのが豊富なキャラクターグッズ。「サンリオ」や「ちいかわ」など人気キャラクターのグッズが頻繁にリリースされ、店舗によっては“即売り切れ”となるところもあるという。
Z世代女性が語るしまむらの魅力
毎月必ず“しまパト”を欠かさないというアイさん(仮名・23歳)は、仕事帰りや休日にしまむらに立ち寄って、月に数回はショッピングするという。
「しまむらに通うようになったきっかけは、豊富なキャラクターグッズに惹かれたことと、オフィスカジュアルな服装が多く取り揃えられていることです。社会人になりたてだった頃に、オフィスカジュアルな服を売っているお店がなかなか見つからなくて苦労していたのですが、しまむらにはオフィスでも着られるような落ち着いた服がたくさん揃えてあって、助かっています。
私はキャラクターグッズを集めることも好きなのですが、新作が次々と出て入れ替わりが激しいので、SNSでこまめに入荷状況をチェックしているんです。キャラクター好きの友達との間では『しまむらの新作チェックした?』と話題になることもよくありますよ」(アイさん)
仕事用の靴やブラウス、キャラクターグッズをメインに購入しているというアイさんだが、しまむらならではの魅力についてこう語る。
「商品の入れ替わりが早いので、お店に行くたびに新しい発見があって楽しいです。リーズナブルなのに高見えする服もたくさんあることも魅力的で、友達に『それ、かわいい! どこで買ったの?』とよく聞かれるのはしまむらで買ったアイテムが多いですね」(アイさん)
「GU」や「SHEIN」にはないブランド力
「GU」や「SHEIN」などほかにも若者向けのリーズナブルな価格帯の手頃なブランドもあるが、それでもアイさんはしまむらを着続けたいと言う。
「たしかにほかにもおしゃれでリーズナブルなブランドはたくさんありますが、小さい頃から通っているという親近感もありますし、何より今のトレンドを押さえたオフィス服や、かわいいキャラグッズが、圧倒的な安さですぐに買えるというのは、しまむらのブランド力なのかなと思います。
それにしまむらは若者向けの服だけではなくて、大人の女性も着まわしやすいベーシックで上品なファッションアイテムもたくさん揃っています。年齢に合わせていろんなおしゃれを楽しめ、“長く付き合っていけるブランド”というのもしまむらの魅力だと感じます」(アイさん)
原材料費や人件費などのコスト高騰、物価高における消費者の低価格志向の強まりなどから、変化が激しく、厳しい戦いを強いられているアパレル業界において、異例の成長ぶりを見せているしまむら。
なぜここまでしまむらは若い女性たちの心を掴んでいるのか。
“ダサい”からナゼ人気チェーンに?
そもそもしまむらは1953年に呉服店として創業し、そこから地方の住宅地や郊外のロードサイドを中心に大型店舗を展開して拡大してきた。地元の主婦やその家族などがメインの客層となっており、節約志向に合わせた低価格なファッションアイテムを幅広く揃えるチェーン店として認知されていった。
そこでここからは、アパレル業界のコンサルティングなどに携わる河合拓氏に解説していただこう。(以下「」内は河合氏のコメント)
現在若い女性に人気となっているしまむらだが、河合氏は消費者のしまむらに対するイメージの変化についてこう語る。
「しまむらが全国に進出し始めた当時は、地方の主婦層を中心に支持されるリーズナブルなブランドとして広まっていったため、おしゃれに敏感な若者たちからは“ダサい”というイメージを持たれてしまうこともありました。
しかししばらく経つと、若い女性の間で“しまラー”や“しまパト”というワードが生まれて一大ブームとなったわけです。この背景には、しまむらのイメージ戦略といったマーケティングに関する部分というよりも、しまむらならではのビジネスモデルが大きく関係しています」
ちなみに“しまラー”というワードが流行したのは2009年頃のこと。リーマンショック直後で景気が後退し、低価格のファッションの需要が高まっていたことに加え、当時若者たちから絶大な人気を誇っていた人気ファッションモデルの益若つばさなどが、プライベートでしまむらへショッピングに行っていることを明かし、一躍注目を浴びたという経緯もある。

