ベトナム伝統ハス茶、超高級品の製法体験 蜂も寄る香り、アイスで飲むとわずかな苦み

ベトナムを象徴する花とされるハスの花を使ったお茶がある。首都ハノイでは5月中旬から数多くの湖上にピンク色の花が咲く。花の香りが豊かな初夏にハス茶を作るのが最適とされる。中でも伝統製法のものは超高級品だ。茶文化を振興する目的で作り方を紹介するワークショップも開かれている。(共同通信ハノイ支局=小泉忠之)
ハス茶作りは花が夜風に当たって香りが強くなる午前4〜6時に摘み取るところから始まる。午前中が勝負だ。
その新鮮な花びらで緑茶を包んで一晩寝かせ、香りを移すのが簡易的な製法。伝統的な製法では花びらを取り除き、黄色いおしべの先の小さな白い部分をつまみ取っていく。ここが花の香りのもととなる「ハスのコメ」と呼ばれる部分だ。
一つの花からほんのわずかしか取れないこの部分を、緑茶と交互に層状に重ねていく。1キロのハス茶を作るのに600〜800個の花が必要で、店頭価格は1キロ当たり1千万ドン(約6万1千円)から2500万ドンになる。ひたすらに作業を続けていると、香りに引かれて、どこからともなく蜂が飛んできた。
ワークショップを企画したダン・ティ・ニュンさん(47)は「ハス茶はベトナムの伝統文化。かつては王族しか飲めなかったお茶をぜひ楽しんで」と力を込める。
参加したファム・ジア・カイン・ビさん(15)は普段はあまりお茶を飲まないが「ハスの香りでリラックスできた」と話した。
より香りが楽しめるのはホットティーだが、ハノイは午前中でも気温が30度を超える蒸し暑さ。アイスティーをいただくと、香りとともにハスのわずかな苦みが喉を伝っていった。参加者の一人はいい香りに包まれ「幸せな内職だった」と振り返った。





