「青年失業率7%」「老人は無料地下鉄が命綱」超不況韓国で顕在化する老若両極の貧困者という大問題

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仁川空港は高齢者の避暑地

生命を脅かすほどの猛暑が続く韓国で、最近、様々な公共施設が新たな避暑空間として浮上している。

日中の最高気温が40度に迫った先週、執筆のための資料を探しに、久しぶりに国会図書館を訪れた。とりわけ暑かったせいだろうか。入場前に荷物を預けるコインロッカーは早々に満杯となり、閲覧室の座席を確保するための競争も激しかった。目を引いたのは、利用客の大部分が高齢者や壮年層だった点だ。10年ほど前にも資料調査のために国会図書館を頻繁に訪れていたが、当時は試験を控えた学生や若い研究者の姿が目立っていた。しかし今や、公共図書館は中高年層が長い時間を過ごす空間へと変わりつつあった。

もちろん、これを単に韓国社会の高齢化だけが原因であると説明することはできない。記録的な猛暑の中、冷房の効いた公共施設が高齢者にとって重要な「避難所」になっているからだ。最近の韓国では、仁川国際空港で一日を過ごす高齢者たちの姿が社会的な関心を集めた。複数のメディアの報道によると、近郊のソウルだけでなく地方からも、地下鉄に乗って多くの高齢者が仁川空港へ「避暑」にやってくるという。

しかし、この種のニュースでは、将棋盤を持ち込んでベンチで将棋を指す姿や、床にレジャーシートを敷いて横になる高齢者の姿が強調された。その結果、一部の市民からは「迷惑だ」「地下鉄の乗車賃無料を廃止すべきだ」「なぜ空港で時間を潰すのか、敬老堂(公共の高齢者専用施設)に行けばいいではないか」といった不快感が示された。

現実はそれほど単純ではない。日本と同じく、韓国でも多くの高齢者は長年の節約習慣から、自宅にクーラーがあっても使うのをためらう。独居高齢者であるほど「電気代がもったいない」という思いから、暑さを我慢して耐えるケースが多い。

たが、人々が安易に代替案として提示する「敬老堂」も、すべての高齢者にとって快適な空間とは限らない。敬老堂には既存の会員を中心とした人間関係や文化が存在するため、新しく入ってきた高齢者や地域コミュニティに馴染みの薄い人にとっては、むしろ気詰まりな空間になり得る。一方で空港では誰も所属を問わず、誰も個人の事情を詮索しない。匿名性が保証された空間であるという点で、一部の高齢者にとっては敬老堂よりも居心地の良い場所なのである。

高齢者貧困の焦点としての地下鉄運賃無料

こうした現象は、最近の韓国社会における高齢者への視線の変化とも結びついている。

その代表例が「地下鉄無料乗車論争」だ。韓国のすべての地下鉄は、65歳以上の高齢者なら無料で利用できる。かつて地下鉄の無賃乗車は、高齢者敬愛の念が強い韓国社会の象徴のように受け止められていたが、近年は財政負担や世代間の公平性をめぐる論争が激化している。この論争の根底には、自らの未来に不安を抱く若者世代の心理も横たわっている。後述するが、現在の韓国の若者もまた、決して余裕のある状況ではないからだ。

論争が激化する背景には、韓国の圧倒的な高齢化スピードがある。韓国の国家データ庁によると、2025年時点で65歳以上の人口は1000万人を超え、総人口の20%を占めた。国連の基準では、65歳以上の人口比率が20%を超えると「超高齢社会」とされる。韓国は「高齢社会」に突入してからわずか7年で超高齢社会に到達し、世界で最も速いペースで高齢化が進む国の一つとなった。

こうした状況の中、韓国政府は現在、高齢者の基準年齢を従来の65歳から70歳に引き上げる案を議論している。高齢化に合わせて福祉基準を現実化すべきだという主張とともに、65歳以上に提供されてきた地下鉄無賃乗車や、所得下位70%の高齢者に支給される月最大40万ウォンの「基礎年金」など、各種福祉給付の基準も調整される可能性が取り沙汰されている。「大韓老人会」もまた、平均寿命の延伸や社会の変化に合わせ、高齢者年齢の基準変更に関する議論に肯定的な立場を示している。

しかし、韓国は依然として高齢者の貧困問題が深刻な国家である。高齢者であるという理由だけで、誰もが経済的な余裕を持っているわけではない。OECDの『Pensions at a Glance 2025』によると、韓国の66歳以上の相対的貧困率は39.7%だ。OECD加盟国の中で最も高い水準にあり、平均(14.8%)の2.7倍に達している。高齢者の基準年齢を引き上げた場合、地下鉄の無賃乗車や基礎年金の受給時期が遅れることになるため、この貧困層に与える打撃も同時に考慮されるべきだという声が上がるのは、まさにこうした理由からである。

無料の地下鉄が命綱

私はかつて、無料給食を受け取るために毎日ソウルの鍾路(チョンノ)を訪れる高齢者たちを取材したことがある。忠清南道(チュンチョンナンド)牙山(アサン)に居住する70代の男性は、朝の4時に家を出て、2時間以上地下鉄に揺られてソウルへと向かっていた。無料給食所で朝食を済ませた後、近くの公園で時間を潰し、再び昼食をとってから、午後3時頃に地下鉄に乗って自宅へと戻る生活だった。彼が特に強調したのは、通勤・通学の時間帯には地下鉄を利用しないという点だった。若い会社員たちに迷惑をかけたくないという理由からだった。

また別の取材で出会った、地下鉄宅配(高齢者向けの配送サービス)の仕事をする高齢者たちにとって、地下鉄は生計を立てるための必須の手段であった。労働市場の柔軟性が低い韓国において、定年退職した高齢者の主要な雇用の受け皿となっているのが、この地下鉄宅配である。

取材で出会ったA氏は、朝の6時から毎日12時間以上働いているが、稼ぎは多くても1日2万〜3万ウォン(約2200〜3300円)程度であった。これも地下鉄の運賃が無料だからこそ続けられる仕事である。もし毎日交通費を負担しなければならないとすれば、A氏の収入はほぼゼロに等しくなる。退職後にまともな職を得られない韓国の高齢者たちにとって、地下鉄は単なる移動手段ではない。生存に直結した「ライフライン」なのである。

急速に進行する「K-両極化」

ところが、韓国社会における新たな貧困問題は、高齢者層だけに現れているわけではない。近年は若者層もまた、深刻な経済的苦境に直面している。

若者が直面している最大の困難は、やはり深刻な就職難である。最近、韓国の大企業の採用公募そのものが目に見えて減少している。ある採用プラットフォームが2025年1〜11月の大企業の新卒・正社員採用の公募を分析した結果、公募数が2024年の同時期に比べて43%も減少した。インターンや契約職を含む新卒採用の公募全体でも34%減少している。その結果、若者層の雇用率は2025年1〜10月の平均で45.13%となり、2022年以降3年連続で下落した。月別では18ヶ月連続で減少を続け、2009年の金融危機以降で最長記録を更新した。

青年失業率(7%)や「特段の理由なく休んでいる(就業も求職もしていない)」20〜30代の若者の数(年間70万人前後)も依然として高い水準を維持しており、就職できずに1年以上求職活動を続けている若者の割合も48.6%に達している。しかも、現在の若者が直面している困難は、雇用の不足だけにとどまらない。高い住居費や生活費の負担に耐えかね、生計を立てるために借金を重ね、それを返済できずに個人再生や破産を検討する若者も増えている。

高齢化とともに、「K-両極化(K字型の社会格差)」が急速に進行する韓国社会は、高齢者の貧困と若者の貧困という二つの課題に同時に直面しているのだ。

かつての韓国の福祉政策における主要な課題が「貧しい高齢者をいかに保護するか」であったとすれば、現在は「貧しい高齢者と貧しい若者を、いかに共に保護するか」へと移行しつつある。

福祉の財源は無限ではない。高齢者福祉を維持すべきだという要求と、若者への支援を拡大すべきだという要求が同時に高まる中、政府はかつてないほど難しい政策的選択を迫られる局面を迎えた。高齢者基準年齢の引き上げや基礎年金改革の議論が本格化している今こそ、世代間のゼロサム競争ではなく、二つの世代の貧困を同時に緩和できるような政策設計が試験台に立たされている時期だと言える。

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