被爆81年 継承へ課題と期待
被爆の実相を伝え続けてきたのは、資料館だけではありません。平和を発信し続けてきた被爆者団体は大きな転機を迎えています。
【VTR 被団協について】
(MC)
池上さん、日本被団協の活動は世界から評価されましたが、組織の存続で揺れ動いている現状をどう受け止めますか?
(池上さん)
担い手が少なくなっている現実は重く受け止めなければならない。ただ、これは被団協だけの問題ではない。
どのように記憶をつないでいくのかが、社会全体で考える課題。
(MC)
では、被爆者自身は、これからの継承をどう考えているのでしょうか。こちらは広島テレビと読売新聞などが共同でおこなった
被爆者へのアンケートの結果です。原爆被害の記憶や体験の継承について、「人工知能・AI)」や「仮想現実・VR」といった手法が
継承方法として有効だと思うか、という問いに対し、「思う」「少し思う」と答えた人が全体の7割となりました。
池上さん、この結果についてはいかがですか?
これまで被爆者は、自分の言葉で、直接語り続けてきた。被爆者にも『これからは新しい技術も活用してほしい』という思いが広がっている。大きな意味を持った結果ではないか。番組でもVRによる継承を伝えた。
さらに広島市では、AIを活用した装置の開発も進められています。質問に応じて、被爆者の証言映像をAIが選び出し、対話形式で触れることができます。
(MC)
池上さん、新しい技術にはどんな可能性があると感じますか?
(池上さん)
科学技術は、戦争を大きく変えてしまう力にもなった。しかし今、その科学技術が、被爆者の証言を未来へ残す力にもなっている。
同じ技術でも、どう使うかで未来は変わる。私はそこに希望を感じる。
ただ、その技術だけで平和が受け継がれるわけではありません。
AIもVRも、記録を残すことはできるが、『なぜ二度と繰り返してはいけないのか』という思いまで、自動的に伝えてくれるわけではない。技術はあくまで手段で、平和をつくるのは、いつの時代も人その思いを受け取り、自分の言葉で次の世代へ伝えていく。その役割が私たち一人ひとりに託されている。
2026年8月6日 放送
