赤木雅子さんの会見(提供)筆者

写真拡大

【森友遺族・夫の死を巡る闘争記】

森友文書「不開示」提訴へ、赤木雅子さん会見「池田さんのノートが出たら、区切りにできると思っていたのに」

 森友事件で新たな裁判が始まることになった。提訴したのは赤木雅子さん。事件で公文書改ざんを迫られ命を絶った近畿財務局の赤木俊夫さんの妻だ。近畿財務局の別の職員のノートを財務省が不開示としたことについて、決定の取り消しを求め28日、大阪地裁に提訴した。

 同じ日、財務省から一通のメールが届いた。

「申入書への回答につきましては、現在、省内で確認作業中でございます。準備が整いしだい、近日中にもご連絡を差し上げることができると考えておりますので、それまでお待ちいただけますと幸いに存じます」

 申入書とは、提訴の元となったノートを巡り6月12日付で赤木さんが財務省に出したもの。事前の説明で財務省の担当者が「開示する」と明言していたのに、数カ月で開示しないと判断を覆したことについて質した。それから1カ月半が過ぎてからの回答が「省内で確認作業中」という内容だ。今さらなぜこの回答なのか?

 この日の提訴を察知した財務省が申し入れに回答がないと指摘されることを避けるため、慌てて返答してきたのではないか。その内容も、ノートを開示すると事前に話していた事実は録音データがある以上、否定できないので「現在確認作業中」とごまかしたのではないか。

 ノートが誰のものか財務省は明らかにしていない。だが近畿財務局の管理職だとは認めたため、亡くなった赤木俊夫さんの上司だった統括国有財産管理官、池田靖氏のものとみられる。森友学園への国有地値引き売却の責任者であり、俊夫さんに改ざんを命じた当事者でもある。ノートには事件の核心に迫る新事実が記されているかもしれない。提訴後の会見で赤木雅子さんは語った。

「一番は夫がなんであの改ざんをしなければならなかったのかっていうことです。改ざんのあった2017年から人が人でなくなる姿を私は1年間見て、最後には自ら命を絶っていました。その悔しさとか苦しさとか、そういったものを私はバトンを引き継いだ」

 その上で、

「ノートがあるよって聞かされて、いきなり不開示ですっていうような、人間としてそれって何なんだろうっていう不思議な感覚が財務省に対してあります」

 会見の最中、熊本で震度7というニュース速報が流れた。

「すごい大変なことですね。みなさん早くそちらに取材に行ってください」

 その上で、

「森友問題のことも忘れずに報じてもらえたらありがたいですね」

(相澤冬樹/ジャーナリスト・元NHK記者)