たったひとりの野球部から始まった最後の夏 由布高校主将が見せた“感謝と涙” 仲間と駆け抜けた3年間
甲子園を目指す大分大会、由布高校には、たったひとりになっても白球を追い続けた部員がいます。最後は仲間とともに――高校生活の集大成を追いました。
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ひとりきりのグラウンド
由布高校野球部のキャプテン・池田康平選手(3年)。この舞台に立つまで孤独を乗り越えてきました。2年前、野球部専用グラウンドに立っていたのは、池田選手ただひとり。唯一の部員として野球部を守ってきました。
池田選手(当時1年):
「泥臭く野球やりたいです。自分にとって高校野球はひとつの青春だと思うので、しっかり高校3年間続けて青春を味わいたいと思います」
ひたむきにプレーする姿に心を打たれ、同級生の菅陽向選手が初心者ながら去年入部。1年間、二人三脚で練習を重ねてきました。
菅選手:
「練習試合で初めてフライを捕れたときがうれしかったです。康平を支えるために、最後なのでできることをして楽しみたいと思います」
今年の春には1年生が5人も加入。多くの仲間と迎える最後の夏、これまでの集大成をぶつけます。
キャプテンが見せた執念
7月6日、由布は宇佐産業科学との連合チームで初戦に臨みます。対戦相手は宇佐高校です。
初回、先頭バッターとして打席に立った池田選手。その初球――思いを込めた振り抜いた打球は、右中間を破るスリーベースヒット。攻撃の先陣を切ります。
母・池田美紀さん:
「ここぞというときに強い男だなって思いました。本当によく頑張ってきたと思います」
その後、レフト前タイムリーで池田選手が先制のホームイン。連合チームは勢いに乗り、この回3点を先制しました。
しかし、宇佐に4回までに7本の長短打で6得点を奪われ、逆転を許します。
仲間と駆け抜けた「最高の3年間」
6回表、1アウト1塁で代打に送られたのは、もうひとりの3年生・菅選手。ファウルで粘り、フルカウントまで持ち込みますが、惜しくも三振に倒れます。
連合チームは相手を上回る9安打を放つもホームが遠く、3ー7で試合終了。夏の1勝には届きませんでした。
池田選手:
「最後仲間と笑いあえて楽しかったですし、自分もチームを鼓舞する1本が打ててよかったと思います。仲間には『一緒にやってきてくれてありがとう、最高だよ』と伝えたいです」
菅選手:
「とてもドキドキしましたが、楽しかったです。康平も大変だったと思いますけど、力になれたかなと思ったのでよかったです」
たったひとりで始めた野球部。仲間とともに流した最後の涙は、3年間がむしゃらに戦い抜いた何よりの証です。
