2026年、日本の住宅ローン市場にこれまでの常識を覆す新しい仕組みが登場し、大きな話題を呼んでいます。住信SBIネット銀行が、住宅ローンの返済期間満了時に元金の50%を一括で支払うという、いわゆる「残価設定型(残クレ型)」の新型住宅ローンの提供を開始しました。

自動車の購入では一般的だったこの仕組みが、ついに住宅購入にも導入された背景には、都心部を中心とした深刻な価格高騰があります。

今回は、らくだ不動産株式会社の執行役員・エージェントの八巻侑司さんと、チームリーダー・エージェントの鈴木成禎さんの2名が、この「残クレ型ローン」の実態と、これからの時代を生き抜くためのメリットと落とし穴について徹底解説します。

◾️「残クレ型ローン」の仕組みと驚きのメリット
住信SBIネット銀行が開始したこの住宅ローンは、通常の金利に一定の金利を上乗せする代わりに、毎月の返済額を抑え、35年後などの満了時に残った元金の50%を一括返済、または売却やローンの借り換えで精算するというシステムです。

鈴木さんは、このローンがもたらす最大のメリットを「月々の住居費の圧倒的な引き下げ」だと語ります。

「例えば、都心のマンションを普通に買って35年ローンを組むと、毎月の支払いが40万~50万円に達してしまうケースがあります。しかし、この残クレ型を使えば、毎月の持ち出しを大幅に抑えることが可能になります。同じエリアで同水準の部屋を賃貸で借りるよりもはるかに安い月額で都心の一等地に住めるというのは、非常に強力な選択肢です」。

短期間(5年~10年程度)で売却して住み替えるプランを持っている人や、都市型ライフスタイルを好む層には非常に相性が良い商品と言えます。

◾️プロが警告する「残クレ」最大の落とし穴
一方で、このローンを利用するにあたっては、これまで以上にシビアな「目利き」が必要になると八巻さんは警告します。

「一番の落とし穴であり注意すべき点は、35年後に50%の元金一括返済が待っているということです。つまり、『購入時と同等、あるいはそれ以上の価格で売却できるだけの資産価値を保ち続けられる物件』でなければ、このローンを組んではいけないということです。

さらに、銀行側も将来の価値下落リスクを背負うわけですから、担保評価(物件の審査)は相当厳しくなるはずです。この残クレローンが『通るマンション』と『通らないマンション』で、市場における物件の格付け(資産性の二極化)がより明確に分かれていく可能性があります」。