「三度目の正直」か、それとも…アルゼンチンが史上3か国目の偉業へ。連覇を逃した過去2大会と今回の決定的な違いは?【W杯】
W杯連覇は過去に2例しかない。第2次世界大戦前の1934年イタリア大会、1938年フランス大会で連続優勝したイタリア。そして、戦後の1958年スウェーデン大会、1962年チリ大会でタイトルを獲得したブラジルだ。今回の決勝でアルゼンチンが勝てば、史上3か国目となる。アルゼンチンは1982年スペイン大会、1990年イタリア大会で連覇に挑んだが、いずれもタイトル防衛に失敗している。それはどのような戦いだったのかを振り返ってみたい。
だが、3チームによる2次リーグ初戦でイタリアに1−2と敗れ、後がないブラジル戦も1−3の完敗で敗退。『サッカーダイジェスト』特派だった筆者も、この一戦を取材した。エスパニョールのホームスタジアムだった今はなきサリアの記者席は、スタンド最前列でピッチは目と鼻の先。ブラジルサポーターによるサンバのリズムに乗って躍動するブラジルとは対照的に、アルゼンチンのフラストレーションは手に取るように分かった。それがピークに達し、厳しいマークで堪忍袋の緒が切れたマラドーナがバチスタを蹴って退場処分となる。
カルロス・ビラルド監督の下で連覇が期待された1990年のチームは、満身創痍でようやく決勝にたどり着いた。ノックアウトステージに入り、準々決勝でドラガン・ストイコビッチのユーゴスラビア、準決勝でロベルト・バッジョの地元イタリアをともにPK戦の末に退けた。だが、それまでの代償は大きく、西ドイツとの決勝はクラウディオ・カニーヒアなど4人の主力選手が出場停止。最前線にマラドーナを残して守りを固め、少ないチャンスに懸けるも、頼みのエースにはギド・ブッフバルトらの厳しい監視の目が光り、試合終盤にPKを献上して0−1で涙をのんだ。この決勝ではアルゼンチンに2人の退場者が出て、最後は9人で戦った。
リオネル・スカローニ監督が指揮する今大会のアルゼンチンも、準決勝まで7戦全勝とはいえ、決して楽な戦いで勝ち進んできたわけではない。延長戦にもつれ込んだ試合も2つあったし、アディショナルタイムの逆転劇で辛くも生き残った2試合もあった。だが、PK戦にもつれることなく、しっかりと勝ち切っている。チームの士気は高まるだろうし、大エースのリオネル・メッシを中心とした結束力も高まっているだろう。
取るに足らないことかもしれないが、連覇を目ざして臨んだ過去二度の大会は、初戦でそれぞれベルギー、カメルーンに0−1で敗れたが、今回はアルジェリアに3−0と快勝。前回カタール大会の初戦でサウジアラビアに逆転で1−2と苦杯を喫した教訓を活かしたともいえる。そんなところが、これまでと流れが違う気がする。
アルゼンチンが「三度目の正直」で連覇を成し遂げるのか、それとも「二度あることは三度ある」のか。注目のスペインとの決勝キックオフは、日本時間20日の午前4時である。
取材・文●石川 聡
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