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新幹線のルートに決まった「桂川案」ですが、決定までは「米原ルート」などとの間で激しい議論がありました。

交通政策に詳しい県内の専門家は決定のあり方に疑問を呈するとともに、地元の理解を得られるよう与党がさらに努力すべきだと話します。
助田記者がお伝えします。

富山大学 中川大特別研究教授
「小浜・京都ルートについては、2016年にそこに決めると言っていたわけで、今回改めて小浜・京都ルートを発表したということは、つまり10年間何も進みませんでしたということを発表したのと同じだと」

交通政策が専門の富山大学の中川大特別研究教授です。
今回のルート決定に疑問を抱いています。

敦賀・新大阪間は2016年に、当時の自公政権が「小浜・京都ルート」といったん決めました。
しかしその後、「米原ルート」を推す声などがあがり去年、連立政権入りした維新の提案により「米原ルート」などを含めた8つの案で再検討が行われました。

その過程で国土交通省は先月、新たに試算した各ルート案の費用対効果を示しました。
それがこちら、数値が大きいほど投資に見合う効果が得られることを示します。
全線の試算である「一体評価」では小浜・京都ルートの費用対効果が「1.1」で最も高くなり、米原ルートなど他のルート案は、すべて「1.0」でした。
これに対し、従来からの敦賀・新大阪間に限った試算では小浜・京都ルートは「0.5」で米原ルートを下回りました。

中川さんは「一体評価」を導入してのルート決定には疑問が残ると話します。

富山大学 中川特別研究教授
「どうやって決めたのかとか、この指標は正しかったのか、どうかっていうようなことを検証もせずに、結果だけ発表してですね。それで不便な桂川ルートに5.5兆円使いますというようなことを発表して、どれぐらいの国民の皆さんが理解されるのか。こういう非常に大きな問題を残したと思います。国民1人当たり5万円になるわけですから」

また、全国にはほかにも着工を求める新幹線計画がある中、敦賀・新大阪間の整備加速には困難な面もあると話します。

富山大学 中川特別研究教授
「このままやっていこうとすると敦賀で止まることになりかねないというふうに思います。四国新幹線だとか東九州新幹線だとかそういうようなところもぜひ作りたいと言ってるわけですから。そういったところと比べても優位性があるかどうかっていうのは、かなり疑問がありますんで」

国土交通省の試算では、桂川案の建設費はおよそ5兆5000億円。京都府などが建設費の地元負担割合に懸念を示している中、中川さんは地元の理解を得られるよう与党の整備委員会が責任を持って努力すべきとしています。

富山大学 中川特別研究教授
「決めた人たちが完成するまで責任を持たなければいけないというふうに思いますので、本当にそういうことをしていくかどうかというのは、国民みんなで監視をしていかなければいけないのではないかというふうに思います」

敦賀・新大阪間の開業に向けては、ようやくスタート地点に立ったにすぎません。
沿線の地元負担対策や建設財源の確保など政治が取り組む課題は多く残されています。