広島テレビ放送

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 広島で初めて親子そろって県代表に選ばれた母と娘がいます。2025年は届かなかった親子での全国出場を、2026年、ついにかなえました。2人でつかんだ夢の舞台に密着しました。

 7月12日、日本武道館で行われた「都道府県対抗大会」。年齢別で編成された各都道府県の代表剣士たちが日本一をかけて戦いました。この舞台に広島で初めて親子そろって代表入りしたのが、沼田高校3年の清水月美さん。そして、母の美紀さんです。親子で同じ県代表として日本武道館に立つことは、2人が追い続けてきた夢でした。

■母・清水 美紀 さん(53)
「信じられないの一言です。それが結果になったことも夢のようです。」

■娘・清水 月美 さん(17)沼田高校3年
「親子で都道府県対抗に出るという夢はあったから、みんなが応援してくれてうれしかったです。」

 山口県出身の美紀さんは高校時代にはインターハイに出場しました。卒業後一度は競技から離れますが、長男が剣道をはじめた40歳で再開。5大会連続で県代表に選ばれました。そんな母の背中を追い、娘の月美さんは幼いころから剣道に打ち込んできました。

■広島テレビ 有田 優理香 アナウンサー
「母が剣道の師匠というのはどう?」

■娘・清水 月美さん
「全国でも大将戦で勝ったり、大事な場面でしっかり勝てるというのは、尊敬しているところ。」

 憧れの母とともに県代表を目指した2025年。月美さんはベスト8に終わり親子での出場は、あと一歩届きませんでした。

■母・清水 美紀さん
「その時に大号泣していたのを見て本気で(代表を)狙っていたと、その時に初めて知って、来年もう1年あるから頑張ろうと言って、その時から(親子での全国出場を)意識していました。」

 親子で心をひとつに鍛錬を重ね、迎えた高校最後の選考会。娘の月美さんは延長戦を制し、見事初優勝。母とともに夢だった代表の座をつかみました。

 親子での全国出場を支えてきたのは、美紀さんの変わらない日常です。稽古を終えて帰宅すると、道着姿のまま夕食の支度に追われます。

Q.毎日バタバタですか?

■清水 美紀 さん
「毎日、広島で確実に10本の指に入るくらい忙しい主婦だと思っています。」

 家事に追われる中でも隙間時間を見つけては、体を鍛え自分と向き合ってきました。

■清水 美紀 さん
「しんどいと思ったらしんどいかもしれないが、楽しいので続けられています。常に目標があることと、それに向かって努力することが好きな性格。」

 一方、娘の月美さん。スマートフォンを手にする姿は、ごく普通の高校生です。

■清水 月美 さん
「TikTokに流れてくる動画を見ている。ダンスとか、食べ物系です。」

 しかし、気づけば画面に映るのは、全国で活躍する剣士たち。技や試合運びを研究しています。

■娘・清水 月美さん
「よく見ているのは強い人たちの動画。参考にする。」

 剣道中心の毎日を送る親子ですが、家でその話をすることは、ほとんどありません。それでも娘の様子を見れば、母にはすぐ伝わります。

■清水 美紀さん
「助言が欲しそうだなというときは独り言みたいにつぶやいてくるので、その時は助言するようにしています。」

■娘・清水 月美さん
「うまくいくことも多いので、いい感じです。」

 大会前日。出発を前に親子そろって必勝を祈願しました。

■清水 美紀 さん
「広島県、優勝。」

■清水 月美 さん
「あすの試合で優勝するようにお願いしました。」

 参拝を終えて東京へ。

■清水親子
「楽しみでしかない。」

■清水 美紀 さん
「今まで自分がやってきたことを信じて、思い切り正々堂々真っ向勝負で戦ってきます。」

■清水 月美 さん
「勢いをつけて(母に)回したいです。」

 母と娘でつかんだ初めての全国。親子の挑戦が、いよいよ始まります。
 ついに迎えた夢の舞台。会場は武道の聖地、日本武道館です。

■清水 月美 さん
「きゃあ~」

■有田 優理香 アナウンサー
「武道館は初?」

■清水 月美 さん
「初です。」

■清水 美紀 さん
「どう?感動した?」

■清水 月美 さん
「すごい!観客席が上まである。」

■清水 美紀 さん
「そっち?!」

■清水 月美 さん
「初めて、ここに来られてうれしい。ここで輝けたらもっと嬉しい。」

 広島では道場の仲間たちが、パブリックビューイングで親子の戦いを見守ります。
 親子でたどり着いた夢の舞台。先鋒(せんぽう)は娘の月美さん。母が見守る中、果敢に攻め込みチームに流れを呼び込みます。一本には届きませんでしたが最後まで攻め続け、次につなぐ引き分けです。

■清水 美紀 さん
「(娘は)緊張しているのが見えたが、気持ちで頑張ってつないできてくれたので、その気持ちを私も受け止めて決めたいと思って挑みました。」

 迎えた大将戦。均衡した勝負の行方は美紀さんに託されます。序盤から積極的に攻め続けると,
美紀さんが勝利で締めくくり、広島は初戦を突破しました。

■広島県代表 松尾 佳子 監督
「しんどい試合だったけどよく頑張った。勢いを持って来てくれた。今のことは終わったことだから、次の試合向けて頑張ろう。」

 次の相手は、前回大会優勝の埼玉。強豪相手に月美さんは一歩も引きません。鮮やかな面を決め、1本を先取します。
 その後1本を返され引き分けとなりましたが、先鋒として勢いをもたらしました。広島はその後、連敗して敗退が決定。それでも、最後に一矢報いようと大将・美紀さんが強豪剣士に挑みます。
 しかし、相手の鋭い攻めに一本を奪われます。それでも、見守る娘の前で、最後まで攻め続けました。美紀さんは一本負け。広島はベスト16敗退となりました。優勝には届きませんでしたが、2人で立った日本武道館は忘れられない舞台になりました。

■母・清水 美紀 さん
「剣道の神様から、ご褒美をもらったと思っているので、楽しい試合をさせてもらいました。」

■娘・清水 月美 さん
「一本をとったところとか惜しいところとかたくさん見られて。みんなからも頼られていて、私もお母さんみたいな選手になりたいと思いました。」

■母・清水 美紀さん
「これからも次の目標に向かって頑張ってほしいと思います。」

(スタジオ)
■有田 優理香 アナウンサー
「剣道の神様からのご褒美という言葉もありましたが、敗れたことも、もちろん悔しいですが母美紀さんは満足、すがすがしい表情をされていました。」

■森 拓磨 アナウンサー
「親子で同じ競技やって同じ団体戦、同じチームで全国の舞台に出る、よほどのことだと思います。自分たちでつかみ取って、この舞台で思い切って試合が出来た、羨ましくも感じます。」

■有田 優理香 アナウンサー
「取材して感じたのは、お互いを本当に尊敬し合っている親子。月美さんは美紀さんが仕事や家事をしながら自分と剣道と向き合っている姿をずっと見てきたので、最後にお母さんのような選手になりたいと話していましたが、同じ舞台に立ったからこそ出てきた言葉なんだなと感じました。大学に入っても親子での代表を目指すということです。」

【テレビ派 2026年7月16日放送】