Microsoftの公式インスタグラムより

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マイクロソフトが従業員の2%に当たる4800人の人員削減をすると発表した。ゲーム部門だけで3200人の削減で、部門全体の2割にも相当する。すでに1600人のレイオフを実施。ゲーム部門の大規模な再編を断行した。

マイクロソフトはゲーム機「Xbox」の販売に苦心している。2026年1月~3月のハードウェア売上は3割以上減少。「Xbox」事業全体の売上も2四半期連続で5%落ちている。

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ゲーム部門においては、過去5年で200億ドル(1ドル160円換算で3兆2000億円)もの成長投資を行ってきた。

M&Aでも大規模投資を行った。ゲーム開発大手のアクティビジョン・ブリザードの買収だ。この会社はシリーズの累計販売本数が4億本を突破した大ヒット作「コール オブ デューティ」を世に送り出したことで知られている。マイクロソフトはアクティビジョンの買収に690億ドル(当時のレートで約10兆3000億円)を投じている。

巨額のM&Aを実施し、3兆円を超える成長投資を重ねてもXbox事業が減収という事態に見舞われているのだ。

マイクロソフトはXboxのユーザーを拡大するため、PlayStationやNintendo Switchにもゲームを提供するようになっていた。ゲーム機で戦う時代は終えんを迎え、ソフトウェアが勝敗を分けると判断したためだ。

「Xbox Game Pass」という定額制のサブスクリプションサービスを展開し、専用のゲーム機を持たずにPCで遊べるプラットフォームの拡大を目論んだ。しかし、それが期待していたほど伸びなかったのだ。

好業績をキープするソニーにも死角が

それでは、日本のソニーや任天堂はどうか。足元の業績は堅調だ。ソニーの2025年度におけるゲームのハードウェア売上は9444億円で、前年比で2割近く落ちている。しかし、ゲームサービス全体の売上は4兆6856億円で、0.3%の増加だった。

PlayStation5は発売から5年半以上が経過している。それでも事業全体の売上が底堅いのは、ヒットタイトルが継続的に生まれているからだ。現在はヒットしたゲームの拡張コンテンツを発売することが一般的で、一つのタイトルの収益性も長期化している。

しかし、大型の投資をしたソニーも痛手を被った。子会社化したバンジーで大規模な人員削減を断行すると発表したのだ。

ソニーは2022年に「デスティニー」などを開発するバンジーを37億ドル(当時のレートで約5140億円)で買収した。しかし、計画していた収益性が得られずに2026年3月期に1201億円もの減損損失を計上している。

バンジーは2026年3月に待望の新作「マラソン」を発売した。このタイトルには2億ドル以上の開発費が投じられたとも言われているが、売れ行きは今一つのようだ。

ソニーは長期的な収益に期待ができる「ライブサービスゲーム」の強化を計画。海外のゲーム開発スタジオを次々と買収した。しかし、期待していたほどの成果は得られなかったようだ。例えば、2024年8月にリリースした「コンコード」は発売からわずか2週間で販売を中止した。このゲームを手がけたファイアウォーク・スタジオはソニーが買収して傘下に収めたものだ。このスタジオはすでに閉鎖されている。

大手ゲーム会社は巨額の資金を投じて長期的なプロジェクトを組んでゲーム開発を進めている。一方、独立系の小規模スタジオが小回りを利かせて開発するインディーズゲームが台頭した。大規模化するほどに消費者意識の変化に取り残されているようにも見える。

任天堂はNintendo Switch 2の北米での売上がやや停滞している。半導体価格の高騰もあって値上げに踏み切った。期待のタイトル「Pokémon LEGENDS Z-A」は2025年度に1200万本以上を販売したが、Nintendo Switch 2向けのソフトは394万本に留まっている。後継機でなければ体験できない付加価値がなければ、ユーザーの購買意欲は高まらない。任天堂はゲーム機とソフトウェアが表裏一体になったビジネスモデルだ。ソニーやマイクロソフトとは追い求める姿が異なる。それだけに、他社では体験できない独自性や発想力こそが競争力となる。

マイクロソフトは独立系スタジオとの連携を強化する方針で、組織の大規模化から分散化へとシフトするようだ。ゲーム業界は確実に転換点を迎えている。

文/不破聡 内外タイムス