《長野・親子3人死傷》「弟の葬儀の日に事件を起こした」はずが…親族が明かした「弟は亡くなっていない」父親が語っていた“病死”は何だったのか
長野県東御市で親子3人が死傷した事件で、殺人未遂の疑いで逮捕された父親の飯島啓輔容疑者(46)。事件直前、飯島容疑者は元妻の親族など周囲に「弟ががんと糖尿病で危篤状態だ」と告げるなどし、元妻の親族は「弟は亡くなっており葬儀の日に事件が起きてしまった」と話していた。だが、飯島容疑者の親族は「弟は亡くなっておらず、病気でもないと思います」と証言した。事件直前、飯島容疑者を犯行に駆り立てた“動機”は何だったのか。
【画像】「幸せそうな仲良し一家だった」事件があった飯島容疑者が住んでいた自宅、出入りする捜査員
元妻の親族は「啓輔の実弟が亡くなり、その葬儀の日に事件を起こした」
7月1日の明け方、飯島啓輔容疑者(46)は長野県東御市の自宅で長男を刃物で切り付け、殺害しようとしたとして、殺人未遂の疑いで逮捕されている。
同日には元妻(49)と長女(12)が首を絞められて死亡し、自宅で遺体となって見つかっており、警察は2人に対する殺人容疑でも再逮捕する方針だ。捜査関係者が語る。
「飯島容疑者は長男に対する殺人未遂容疑を認める供述をしており、元妻と長女の殺害についてもほのめかす供述をしています。確保前に自ら洗剤のようなものを飲み、体調不良を訴えたため入院措置が取られましたが、7月3日に退院し、改めて逮捕となりました。
逮捕当初は眠れなかったり、食事を取らなかったりする様子も見られましたが、徐々に落ち着き、事件について『後悔している』という趣旨の供述もしています」
周囲には子煩悩で家族思いとして知られていた飯島容疑者。事件の約10日前、勤務先の金属加工会社に「弟ががんで危篤状態になった」と連絡し、それきり出社しなくなっていた。
また、元妻の母親にも同じ時期、同様の理由でひどく落ち込んでいる様子を見せていた。(♯2参照)さらに、元妻の別の親族が現状についてこう語った。
「私自身、子どもたちがかわいそうで、事件後は一晩中泣きました。私からすると啓輔は真面目で家族思いで、事件については『なぜ』としか言いようがありません。
ただ、親族の間では、啓輔の実弟が亡くなり、その葬儀の日に事件を起こしたと言われていました。弟が病気だという話は気の毒だと思っていましたが、啓輔自身も体調が悪く、嫁も糖尿病だと聞いていました。
母親や長女の遺体は警察から戻り、長男については現在、保護されていると聞いています」
「亡くなっていませんし、病気でもないと思います」
しかし一方で、飯島容疑者の親族はこう証言している。
「(飯島容疑者の弟について)亡くなっていませんし、病気でもないと思います。(飯島容疑者と)最後に会ったのは先月ですが、そういった話もしていません」(飯島容疑者の親族)
また、飯島容疑者の弟の関係者からも、このような証言が出ている。
「弟も事件のことで落ち込んでいる様子は見られましたが、周りの支えの中で仕事にも行っています」
なぜ飯島容疑者は周囲にそのような話をしていたのだろうか。飯島容疑者と10数年来の知人は、別の側面をこう語る。
「飯島容疑者とは付き合いも長く、共通の知り合いも多いですが、私の知人がここ最近、飯島容疑者と会って、その変貌ぶりに驚いていました。もともと飯島容疑者は100キロを超えるような巨漢でした。数年前から痩せ始めてはいましたが、体格は良い方でした。
それが見る影もないほど痩せ細っていたと聞きました。それに、飯島容疑者は行きつけの飲食店で『死にたい』と繰り返していたそうで、その場にいた人が理由を尋ねると、『末期がんなんだ』と漏らしていたそうです。
私は飯島容疑者が糖尿病だと本人から聞いていましたし、もしかすると、自分の話を弟さんのものとして、話していたのかもしれません……」
知人によると、飯島容疑者は現在の金属加工会社に勤務する前は建設会社に長く勤めていたという。それ以前は職を転々とし、長続きしなかったようだ。飯島容疑者の印象についてこう話す。
「最初に会った時は、すごい目つきでガラが悪く、周囲を威嚇するような歩き方で『色々やらかして地元を出禁になっている』と言っていました。いわゆるヤンキーという感じでした。ただ、建設会社で働き始めてからは人が変わったように真面目になっていましたね」
離婚は…借金が原因、奥さんから「籍だけ抜いてほしいと言われた」
知人は飯島容疑者の家族思いな一面も何度も見てきた。結婚して子どもが生まれてからは、子どものことばかり気にしていたという。
「飯島容疑者は海などの旅行に行く時だけでなく、近所へ買い物に行く時もいつでも家族4人一緒という感じでした。お子さんたちが成長してから2人とも学校へ行けなくなったことがあり、その時はずっと心配していました。
奥さんは『そんな気にしなくても何とかなるよ』というタイプでしたが、飯島容疑者は『そうは言っても、俺たちがいなくなったら子どもたちだけになるんだから心配だろ』というタイプでした。
一時期、『奥さんの実家のそば店を継ごうと思う。家族がいなくなっても店があれば子どもたちだけでも生きていける』と話していたこともありました」
そんな家族思いの飯島容疑者が、なぜ離婚したのか。知人はその経緯についても聞いていたという。
「3、4年前だったと記憶していますが、飯島容疑者が昔につくった借金が原因で、奥さんから『籍だけ抜いてほしいと言われて離婚した』と聞いています。
ただ、この理由は表向きのものなんじゃないかなと周囲では話していました。生活上の事情があったのではないかという声も聞かれました。
当時の職場から誤解を招くから離婚をしたなら同居はしない方がいいと注意されたそうですが、その後も同居を続けていました」
知人は事件について肩を落としながらこう語った。
「自身の体の不調を訴えていたという話も聞いていますが、一方で今の職場で孤立して悩んでいたという話も聞いていました。何を思い詰めてしまったのか私にも分かりませんが、一言相談してほしかったですね……」
事件前、飯島容疑者は周囲に自身の体調や家族への不安など、さまざまな胸の内を語っていた。一方で、実弟の病状をはじめ、その説明には関係者の証言と食い違う部分も少なくない。飯島家で何が起きていたのか――。警察は引き続き、事件に至った経緯や動機について慎重に調べを進めている。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

