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 ノルディック複合で冬季五輪3大会連続メダリストの渡部暁斗氏(38)が7日までに自身のX(旧ツイッター)を更新。ノルディック複合が2030年五輪の競技から外される可能性が議論されていることを受け、IOC(国際オリンピック委員会)アスリート委員長宛てに送った英語の手紙を公開した。

 渡部氏は競技の五輪存続を願い「最後まで自分にできることを尽くす。それはスポーツを通して学んだことです。明日決断が下されます。どんな結論であっても真摯(しんし)に受け止めるつもりです。ノルディック複合がオリンピック種目として未来へつながることを最後まで信じています」と投稿。IOCアスリート委員会に宛てた文書を公開した。

 手紙の冒頭では「私はノルディック複合と、オリンピック・ムーブメントの価値観によって人生を形作られてきた選手として、この手紙を差し上げています」と切り出し、「1924年の第1回冬季オリンピック以来、ノルディック複合はオリンピック競技種目の一部となっています」と競技の歴史を紹介。「スキージャンプの勇気と正確さ、そしてクロスカントリースキーの持久力と不屈の精神を融合させた、ユニークな競技」であり、「冬季アスリートにとって最も総合的な能力を試す競技の一つ」と訴えた。

 一方で、競技が抱える課題についても「歴史だけをもって、ある競技がオリンピックに残ることを正当化することはできない」とした上で「そのため、ノルディック複合が直面している最も重要な課題の一つである、ジェンダー平等について率直に申し上げたい」と言及。「あまりにも長い間、私たちの競技は女性に男性と同等の機会を提供してきませんでした」と示し「女子ノルディック複合の発展が遅れていたのは、潜在能力の欠如によるものではなく、機会が与えられたのがあまりにも遅すぎたため」と指摘した。

 その上で近年の変化について、「女子選手がワールドカップで競い合い、世界選手権にも女子種目が組み込まれている」「混合団体種目も導入され、男女が共に競い合うための重要な場が創出されている」と説明。「男女の競技日程を調整し、女子選手の競技環境を改善し、賞金を増額することで、女性が男性とより対等な立場で活躍できるよう、様々な取り組みが進められている」と改善が進んでいると強調した。

 その一方で、「ノルディック複合は現在、歴史的な不均衡を是正する過程にあります」とし「だからこそ、現時点でノルディック複合をオリンピックの競技種目から除外することは、男女平等を促進することにはならない」と主張。「それどころか、女子ノルディック複合の発展に不可欠な基盤そのものを失うリスクを招くことになるでしょう」と危機感をあらわにした。

 さらに「もし今、オリンピックへの道が閉ざされてしまえば、この種目が公平に発展する機会を得る前に、次世代の少女たちがオリンピックのノルディック複合選手になるという夢を失ってしまうかもしれません」と訴え、「女性の参加を真に拡大するためには、オリンピック競技種目としてのノルディック複合の地位を維持し、女子種目が成長し続けられる基盤を守ることが不可欠です」と理解を求めた。

 最後は「私たちが求めているのは、歴史あるオリンピック競技が過去から学び、自らを改革し、将来に向けてより平等で、より包摂的な競技へと生まれ変わることができることを証明する機会です」と強調。「ノルディック複合が引き続きオリンピック競技種目として残されるよう支持し、女子ノルディック複合をオリンピックに導入するための明確かつ現実的な道筋を提唱していただくよう、謹んでお願い申し上げます」と締めくくった。

 渡部暁斗氏は06年トリノ大会からミラノ・コルティナ大会まで冬季五輪に6大会連続出場。14年ソチ大会と18年平昌大会で個人ノーマルヒル銀メダル、22年北京大会では個人ラージヒルと団体で銅メダルを獲得した。W杯では通算19勝を挙げ、17〜18年シーズンには総合優勝に輝いた。