“技術力”“主導権を握る”フロンターレ流を色濃く継承し、サッカースクールを立ち上げた車屋紳太郎が試行錯誤しながら描く新たな夢
スピードと技術を活かして左SBやCBとして活躍した車屋にとって、正確な縦パス、積極的な攻撃参加、得点に絡むプレーなど、培ってきたサッカー論はまさに“フロンターレ流”と言える。
「自分たちが主導権を持ち続けることは、正直、引いて守る戦い方などに比べ難易度が高いです。技術も追及し続けなくてはいけません。でも、僕はそこから目を逸らしちゃいけないと思っています。もちろん先ほど話したように、100パーセント、試合すべてで自分たちがボールを持つことは不可能ですが、限りなくそれに近づける努力はできるはずです。それを諦めるのは僕は逃げのように感じるんです。だから、まずはサッカーの楽しさを一緒に探しながら、僕が学んできたボールを大切にする意識、技術の重要性などを子どもたちに伝えていけるスクールにしたいと思っています。
もっとも手弁当でのスクール事業はスタートしたばかりで、試行錯誤の連続だ。それでも新たな発見にも満ちている。
「練習メニューも人に聞いたり、本や動画などで調べていますが、手探りですね。小学生高学年になれば少し凝った練習もできますが、低学年の子たちにはどういう話し方が伝わりやすいか悩んでいます。それに小学生は、サッカーに初めて触れ合うケースも多いからこそ、責任も感じますね。“教える”ってやっぱり奥が深いんだなと。そこにこそ大きなやりがいもあります。
それこそ、どのタイミングで話かけるべきか、基礎的な練習ばかりだと飽きちゃう子もいるので楽しめるレクリエーションを混ぜるとか、現役時代は自分のプレーに専念してきましたが、今は全体を見渡しながら頭を使っています。改めてこれまで出会った指導者の方々って凄かったんだなと、実感する日々でもあります」
さらに、スクールを日常的に開催できるコート探し、体験会を通じての入会者募集など、仲間たちとともに取り組むべきことは多岐に渡った。
「コート探しだけでも大変でしたよ。それこそ駅チカなど良い場所はすでに他のスクールやチームが使用していたり、埋まっているところも多かったですから。それにコート代などお金の問題もありますからね。神奈川は相場も高いところが多く...新規で参入し、続けていくって本当に難しいんだなと痛感しました。でもまずは一歩ずつですね」

