ビッグプレー連発の鈴木彩艶が挙げたベストセーブ「あのシュートが4試合を通して一番いいセーブだった」
初めて挑んだW杯で、日本代表GK鈴木彩艶(パルマ)が世界にその名を刻んだ。4試合を通じて数え切れないほどのビッグセーブを披露し、強豪国相手にも堂々たるプレーを見せた23歳。ブラジル戦から一夜明けた表情に、敗戦を引きずる様子はなかった。
「昨日は喪失感がありましたけど、一夜明けて今は早く次の戦いがしたいという気持ちです」。悔しさはある。それでも視線はすでに前を向いていた。その理由は、自身の確かな成長を実感できた大会だったからだ。
転機となったのは、苦い記憶が残る24年1月のアジアカップだった。グループリーグからミスを重ねて猛烈な批判を浴び、チームはまさかのベスト8敗退。「自分でも納得できないプレーだったし、チームに迷惑をかけた」と振り返る。それでも「次の大会ではチームを助ける存在になりたい」と努力を重ね、このW杯で思いを体現した。
「やってきたことは間違いじゃなかった。たくさんの批判を受けても、ここまでやってこられることを証明できたと思う」
大会を通じて最も印象に残ったシュートセーブを聞かれると、ブラジル戦の後半13分にFWビニシウス・ジュニオールの決定的なシュートを防いだ場面を挙げた。左サイドでボールを受けたビニシウスはDF冨安健洋の股間を抜いてゴール前に侵入。鋭い切り返しでMF佐野海舟を振り切り、PA内左から右足アウトサイドでシュートを打った。決定的な場面だったが、これを鈴木彩がわずかに触り、右ポストを叩いた。
「あのシュートが4試合を通して一番いいセーブだったと思う」。一方で、自らのプレーに妥協はない。ブラジルの先制点につながったクロス対応を振り返り、「振り返ってみると、自分のポジションが少し低かった。もう少し高い位置を取れていれば、クロスを未然に防げた」と分析。ビッグセーブを連発した大会であっても、改善点を見逃さない姿勢が鈴木彩らしい。
今大会では、世界屈指のGKとの交流も大きな刺激となった。ブラジル戦後には、世界最高峰のGKの一人であるGKアリソン・ベッカーから声をかけられた。「数年前には考えられない世界。日本にいたころは遠い存在だった選手に声をかけてもらえるのは、自分が着実にステップアップできている証拠だと思う。でも、並ぶだけじゃなくて追い越していかなければいけない」。
現在はイタリアでプレーするが、次に目指すのはチャンピオンズリーグの舞台だ。「昨日の相手(ブラジル)は普段からああいう緊張感のある試合を経験している選手ばかり。自分もそういう環境でプレーしたいし、普段の練習レベルをもっと上げたい」。向上心は尽きない。初めての大舞台は、日本の守護神から世界が注目する守護神へと新たな一歩を踏み出した大会となった。23歳はどこまでも前へ突き進む。
(取材・文 矢内由美子)
「昨日は喪失感がありましたけど、一夜明けて今は早く次の戦いがしたいという気持ちです」。悔しさはある。それでも視線はすでに前を向いていた。その理由は、自身の確かな成長を実感できた大会だったからだ。
「やってきたことは間違いじゃなかった。たくさんの批判を受けても、ここまでやってこられることを証明できたと思う」
大会を通じて最も印象に残ったシュートセーブを聞かれると、ブラジル戦の後半13分にFWビニシウス・ジュニオールの決定的なシュートを防いだ場面を挙げた。左サイドでボールを受けたビニシウスはDF冨安健洋の股間を抜いてゴール前に侵入。鋭い切り返しでMF佐野海舟を振り切り、PA内左から右足アウトサイドでシュートを打った。決定的な場面だったが、これを鈴木彩がわずかに触り、右ポストを叩いた。
「あのシュートが4試合を通して一番いいセーブだったと思う」。一方で、自らのプレーに妥協はない。ブラジルの先制点につながったクロス対応を振り返り、「振り返ってみると、自分のポジションが少し低かった。もう少し高い位置を取れていれば、クロスを未然に防げた」と分析。ビッグセーブを連発した大会であっても、改善点を見逃さない姿勢が鈴木彩らしい。
今大会では、世界屈指のGKとの交流も大きな刺激となった。ブラジル戦後には、世界最高峰のGKの一人であるGKアリソン・ベッカーから声をかけられた。「数年前には考えられない世界。日本にいたころは遠い存在だった選手に声をかけてもらえるのは、自分が着実にステップアップできている証拠だと思う。でも、並ぶだけじゃなくて追い越していかなければいけない」。
現在はイタリアでプレーするが、次に目指すのはチャンピオンズリーグの舞台だ。「昨日の相手(ブラジル)は普段からああいう緊張感のある試合を経験している選手ばかり。自分もそういう環境でプレーしたいし、普段の練習レベルをもっと上げたい」。向上心は尽きない。初めての大舞台は、日本の守護神から世界が注目する守護神へと新たな一歩を踏み出した大会となった。23歳はどこまでも前へ突き進む。
(取材・文 矢内由美子)

