コンドームからメンエスまで値上げの波。原油高と中東情勢が“夜のサービス”を直撃していた
◆原価や備品は2〜3割値上げ。企業努力ももう限界!
こうした中、男性向けのアダルト消費を支える業界も例外ではない。今夏以降、風俗やアダルト界隈で容赦なき値上げが予測されているのだ。
まず、コンドーム。世界最大級のコンドームメーカー・カレックス(マレーシア)は4月に、イラン戦争による原材料調達や輸送網の混乱が続く場合、最大30%の値上げを実施すると発表した。
「日本の大手製造メーカーはマレーシアに工場を持つ会社もあり、影響を避けられないのでは。コンドーム本体は天然ゴムを使用していることが多いのですが、包装紙や潤滑油、また薄型で用いるポリウレタンはナフサ由来。夏にかけて値上げしていく流れでしょう」(業界紙の記者)
◆TENGAは品薄? ラブドールは値上げ
一方、アダルトグッズでも価格改定の動きがあるという。都内にあるショップのオーナー・Aさんはこう語る。
「これまで原価や卸値に影響があっても、なんとか値上げはせずにきていた。でも、他の業界でも値上げが行われるようになってきたので、これを機に値上げする予定。卸値が15%上がったら小売価格は30%上げます。すでにローション類は、700円程度で売っていたものを900円程度に上げています」
メーカー側も苦しい選択に迫られている。人気の電マ「フェアリー」開発者の高橋さなえ氏は言う。
「オナホール等で使うTPR(熱可塑性エラストマー)やシリコン、電マで使うプラスチックの値上げの影響が大きい。その他も、全般的に包装資材や印刷費が2〜3割上昇と原価への打撃が強い。メーカーは3か月分程度の原料をプールしていますが、そろそろ底をつき始め欠品も出てきています」
アダルトグッズに使われている素材の多くは石油由来の化学製品。原油価格高騰はダイレクトに製造コストへ跳ね返る。これまでは企業努力で原価の上昇を吸収してきたが、原材料費と輸送費のダブルパンチにより、体力の限界を迎えているようだ。
「卸値も2〜3割上がっている商品が出てきており、ショップでは売れ筋を厳選して仕入れる“買い控え”がおきています。ボーナス時期にはキャンペーンで商品を山積みにするのですが、そういうイベントは今夏、行われないかもしれません」(高橋氏)
開戦初期にSNSでは「TENGAが品薄になっている」という声もあった。しかし、記者が問い合わせたところ、「回答を控える」とのこと。オナホールも本体やパッケージなどの値上げが大きいと予測されるが、今まさに対応に追われているようだ。
一方、すでに値上げに踏み切ったのはラブドールだ。販売代理店・快楽園は、4月から一部製品を10%値上げすると発表。原因は「国際的な原油価格の上昇」としている。
上記とは別の正規販売代理店「Happiness Doll」の代表は次のように話す。
「イラン戦争前、ラブドールの製造コストは販売価格の3分の1ほどでした。でも、今はそれが半分〜3分の2までに高騰。今後、どれだけ上がるか不透明なので受注生産を取りやめ、商品をストックして即納する販売方法に切り替えました」
ラブドールの多くは中国製だが、同国の石油化学製品は各産業で調達合戦が行われており、ダイレクトに影響を受けていると話す。

