中村敬斗「僕たち’00 年代生まれの突き上げで世界の壁をブチ破る!」【W杯日本代表応援特集】
オランダ戦では盟友・久保建英のアシストで大仕事。チュニジア戦では「Kポーズ」でメッセージを送ったイケメンMFが語る
「久保(建英(たけふさ)・25)選手がカットインした時点で『パスが来る』とわかりました。シュートのイメージもできていて、わざとマイナス(後方)にボールを置いて相手DFを食いつかせ、股が開いたところを打ち抜いた。ファーサイド(遠い側)を警戒してくるだろうと思っていたので、そう見せかけておいてニアサイド(近い側)を狙いました」
自身のW杯初ゴールにして、森保ジャパンの今大会初ゴールとなった一撃を、中村敬斗(25)はいつもどおり、冷静に振り返った。6月14日のグループF初戦、日本は準優勝3度を誇るオランダを相手に2度リードを許しながら、2−2の引き分けに持ち込み、勝ち点1を手に入れた。
後半6分に先制を許した後、同12分に同点弾を挙げたのが中村だった。’00年生まれの中村と’01年生まれの久保は年代別代表時代から一緒にプレーしており、「3年前のA代表初ゴールも久保選手のアシストだった」と中村は笑った。
「ずっと一緒にやってきたので、(パスが)来るだろうな、と感覚でわかる。毎回、いいアシストをくれるから感謝です」
初めて立つW杯のピッチ。しかも相手は強豪オランダ。「前半は緊張で硬くなっていた」という。
「得意のシザース(ボールをまたぐフェイント)で縦に突破しようとしても、ボールがうまく足元に収まらなくて。ただ、その時間帯も守備では自分の仕事ができていた。後半は、ある意味、失点したことで点を取りにいかなければならなくなり、緊張がほぐれた部分もありました。2失点しましたが、2回とも追いついたのはチームとして力がある証拠。″ごっつぁん″ではなく、自分たちで生み出したゴールでしたから」
マッチアップしたのは身体能力と迫力ある攻撃参加を武器とするDFのデンゼル・ドゥムフリース(30)。だが、中村は一歩も引かず、隙を見逃さなかった。
「ドゥムフリースはイタリアのインテルからスペインの名門レアル・マドリーへの移籍が合意に達したと報道されていた選手。片や僕はフランス2部。力の差があるように思われるでしょうが、大舞台で期待に応えられてよかった」
いきなり結果を出せた要因を、中村は「どんなときも自信を失わずやってきたこと」と分析した。
10代で海を渡った中村のこれまでの道のりは決して平坦ではなかった。オランダやベルギーで出場機会を失い、Jリーグ復帰の打診を受けたこともあった。それでも「帰国したら、そこからもう一度挑戦するのはさらに困難。『戻る』という選択肢はなかった」と踏みとどまった。
所属のスタッド・ランスは昨季降格を喫し、’25−’26シーズンは2部で過ごした。若手が多いチームで、連係面に難しさを感じるなかでも、一対一での仕掛けを磨き、14ゴールを挙げた。
「2部という厳しい環境でプレーしてきたからこそ、W杯でも結果を出せたのかなと思います」
続く20日のチュニジア戦、先制点をアシストした中村はカメラに向かって指でKの文字を作った。「久保選手と一緒にやるってことで」と、ケガでベンチ外となった盟友に激励のゴールを届けた。
「オランダ戦では途中から入った伊東純也選手(33)と菅原由勢(ゆきなり)選手(25)が流れを変えてくれた。久保、菅原、瀬古歩夢選手(26)と佐野海舟選手(25)も’00年代生まれ。この年代の突き上げが今回のW杯では大事になってくる」
悲願のベスト8へ、中村ら’00年代生まれの突き上げで世界の壁をブチ破る!
『FRIDAY』2026年7月10日号より
取材・文:栗原正夫
