【現地発】オランダに突かれた「守備の隙」と重くのしかかる「久保建英の負傷」…勝利必須のチュニジア戦に向けた森保ジャパンの改善点とは【W杯】

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負傷交代した久保の状態は気がかりだ(C)Getty Images

 北中米ワールドカップ(W杯)で『死の組』とも言える厳しいグループFに入っている日本代表。案の定、現地時間6月14日の初戦・オランダ戦(ダラス)は厳しい戦いになった。

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 それを象徴したのが、開始早々の3分にドニエル・マレンが放った決定的シュート。これを鈴木彩艶が阻止し、事なきを得たが、前半はかなり相手に主導権を握られた。

 それでも何とかスコアレスで折り返し、迎えた後半の50分。日本は絶対にやられてはいけない長身DFフィルジル・ファン・
ダイクにリスタートの流れから失点。重苦しいムードに包まれた。

 この7分後には中村敬斗が10年来の盟友・久保建英からのパスを受け、巧みなゴールをゲット。いち早く1−1に追いついた。

 だが、そこから10分も経たないうちに、クリセンシオ・サマーフィルに2点目を献上してしまう。これも非常に痛かった。

 この後にピッチに送り出された伊東純也や小川航基らのいい働きによって、終了間際に鎌田大地が2点目を奪取。辛くも勝ち点1を死守したものの、大一番での複数失点はいただけないはずだ。

 守備リーダーの谷口彰悟は厳しい表情でそう語っていた。

 まずは複数失点はダメってところはみんなで合わせていかないといけないし、後ろとしては大きな反省点だと思っています」と。

 特に1失点目については、左CKからの流れ。二次攻撃で中央から大きく右に展開され、ライアン・フラーフェンベルフのクロスをファーサイドに陣取っていたファン・ダイクに仕留められてしまった。

「セットプレー絡み、セットプレーからまたクロスというところで、中のマークがちょっと曖昧だったかなっていう。人数が足りていたのか、足りてなかったのかはまだ映像を見ていないので分からないですけど、そのへんはもう1回、やり直さないと。セットプレー絡みでやられるというのはゲームが崩れてしまうので、そこは厳しく、次に改善したいなと思います」と堂安律が下がった後、キャプテンマークを巻いた背番号3は危機感を募らせた。

 ここから先の守備陣の構成は未知数だ。谷口を中心に渡辺剛、伊藤洋輝という3バックで行くのか、それともキャプテン・板倉滉や冨安健洋らを起用するのかは森保一監督の考え方次第。ただ、多少なりともメンバーを入れ替えていかなければ、決勝トーナメント以降のタフな戦いは乗り切れない。

チュニジア戦で3バックの陣容は変わるのか(C)Getty Images

 中5日で迎える20日の次戦・チュニジア戦(モンテレイ)も組み合わせの変更はありえるだろう。その状況下でもしっかりと守り切れるように、守備陣が中心となってリスタートを含めて細部を徹底検証し、修正を図っていくことが肝要だ。

 攻撃面に関しても、やはり懸念材料はある。今回は幸いにも2ゴールが生まれたが、久保が負傷交代。軽傷という話もあるが、次戦以降、どうなるか分からない状態なのだ。

 日本はすでに南野拓実と三笘薫がケガで離脱。オランダ戦は前田大然を左シャドーに据えて守備強化を図るという”秘策”を指揮官は講じたが、チュニジア相手に同じ戦い方はできないだろう。

 目下、久保と前田以外のシャドー要員は、今回ジョーカーで出た伊東、塩貝健人に加え、鈴木唯人、後藤啓介、追加招集の町野修斗という顔ぶれ。このうち伊東と塩貝は切り札として残しておきたいと考えると、チュニジア戦は鈴木唯と後藤、あるいは町野といった不慣れなコンビがスタートから並ぶ可能性もないとは言えないのだ。

 もちろん右ウイングバック(WB)の堂安をインサイドに回し、菅原由勢を起用するプランの方が現実的ではあるが、阿吽の呼吸があるメンバー構成では戦えない。それを踏まえて、日本はどう攻撃を組み立て、ゴールを奪っていくのか。その術を見出すべく、出来る限りの準備を進めていくべきだ。

 オランダ戦を見る限りだと、中村と伊東、小川が好調で、上田綺世も彼らしいパフォーマンスを発揮していたのは朗報だが、それ以外のアタッカー陣は一層の奮起は必要だ。オランダから勝点1を得たとはいえ、チュニジアとスウェーデンに連勝しなければ、日本のF組1位通過は厳しくなる。そのくらいタフな組に入っていることを今一度、再認識し、攻守両面でギアをもう一段階上げていくこと。それが今、日本代表に求められるポイントと言っていい。

[取材·文:元川悦子]