ペットの柴犬の写真をX(旧Twitter)に投稿し続け、その自然体のかわいさが人気となっている@inu_10kg。ESSEonlineでは、飼い主で写真家の北田瑞絵さんが、「犬」と家族の日々をつづっていきます。第83回は「犬が過ごした6月」について。

5月すぎに始まった犬の“衣替え”

換毛期の体をなでればたちまち服が抜け毛まみれになる。犬は青年期とシニアで換毛の時期や速度が変わるのだが、加齢によって代謝やホルモンが変化するかららしい。今年は5月過ぎてから換毛期に入り、それからゆっくり衣替えをしている。

これは今に始まったことではないが、毛並みの変わり目特有のしんどさがあるのか、なんだか心身ともに敏感になるように思う。

あるときは甘えたになって、私の両足のあいだに寝そべってブラッシングをやめさせてもらえないときも。ブラッシングをとめたら手で招くようにして促すのだ。かと思えば、なでていたら突然「ウォォン!」と吠(ほ)える日もある。

まぁうちも季節の変わり目疲れるし、換毛期って違和感ありそうよな。犬になったことないからわからんけども。

6月下旬に差しかかった頃、蒸し風呂に閉じ込められているような嫌な暑さが続いた。暑さに身体がバテてしまい、犬と一緒に涼しい部屋で横になっているしかない。ああこのまま眠っていたい、秋を迎えるまで…。

いったん6月例年の気温に戻った日の昼下がり。「川遊びしに花園行くか」とお母さんのナイスなひとことに大賛成! 花園とは詩的なたとえではなく地名である。川の水が澄んでいて、自然の緑がそのまま残っていて、心が落ち着く場所である。

お母さんの運転で山道をたどっていく。久しぶりのお出かけに犬の表情もへにゃりとゆるむ。歯医者さんに褒められたピンク色の舌かわいいね。どんどん深まる緑に赤い車が包まれる。

ちなみに花園には恐竜ランドというおもしろい珍名所がある。ご興味のある方はぜひ調べてください。最近は大阪万博の流れで和歌山に来てくれたり、またキャンプや川遊びにやってくる人も多いが、みんな恐竜ランド行って欲しい。洞窟に犬は入れやんから、犬と一緒に行ったことはないがおすすめ。

足早に川へと向かう犬に思うこと

川のそばで車をとめて降り立つと、せせらぎの音が聞こえて、肌をかすめる風が心地いい。お母さんを引っ張るように犬は川に向かって足を進める。

前もinubot回覧板で書いたが、今年も犬は岸辺から川の中へ、まるで水陸の境目がないかのように歩いていった。はしゃぐでも構えるでもなく地面と変わらぬ一歩で川の中に入っていくのだ。

そして手足のつけ根まで水中につかるくらいまで進んだら、足をとめてじっとする。じっと、ただじっとしている。手足を水につけて過ごしている犬をみて好きやなーと思う、こういう過ごし方をしている犬がめっちゃ好きや。

しばらくそうして過ごしていたが、お母さんが水面を手ですくい水しぶきをあげると、犬もつられるように跳ねて、さらに大きな水しぶきがあがった。

夏の入り口に立った日、花園で川遊び。秋まで早送りしたいなんて思ったが、今年の夏も笑える思い出が増える予感がしている。

7月を迎えるまえに犬の毛並みは生え変わり、土間で寝る姿を見るようになった。犬には季節ごとの「旬の寝場所」がある。冬はこたつ、居間の上がり戸で寝るようになれば春の到来。

そしてコンクリートの土間でぺちゃりと寝れば、夏が始まる。犬が、わが家に季節を運んできてくれるのだ。