食べることは生きること 那賀町で「食育教室」【徳島】
食のありがたさや命の尊さを伝えようと、7月22日、那賀町で食育教室が開かれました。
生きたニワトリを解体し食べるまでの体験に、カメラが密着しました。
夏、外でバーベキューが盛り上がる季節ですね。
炭焼きの鶏、おいしそう。
しかし、こちらの肉。
お店で買ってきた肉ではありません。
(小料理屋「八福」店主・中本哲慈さん)
「当たり前にスーパーで白いトレーに乗った肉、それに感謝しろと言っても無理だろうし」
「きょう生きているところ、生き物から食材に食べ物のありがたさ、命の尊さに気づいてもらえれたら」
中本さんは阿南市で小料理店を営む傍ら、こども食堂を毎月ボランティアで開き食の大切さを伝えています。
着いたのは、那賀町で野生動物の加工処理や販売をする施設です。
■運ばれてきた2羽のニワトリ
運ばれてきたのは、2年間飼育されたニワトリ。
これは、中本さんやあなんジビエ振興協議会が開いた「食育教室」です。
県内から親子連れなど17人が参加し、生き物から食べ物へと加工する過程を学びます。
(中川食品・中川修さん)
「これは、縮んでこの大きさ」
「縮んでいない、塩したら縮まない、塩しなかったら縮む」
こう話すのは、中川修さん84歳。
解体処理から精肉加工までを一手におこなう、野生動物解体のスペシャリストです。
食育教室では、ニワトリの解体を見学します。
■ニワトリを解体
(見学した・広浦暁士くん)
「初めて見るからちょっとこわかったけど、ニワトリの命がこんな風になっていると思い、ちょっと感動した」
「これからも生活で食べるから、ニワトリの命をありがたく思い食べたい」
解体は、あなんジビエ振興協議会のメンバーらと一緒におこないます。
まず、ニワトリの首の太い血管が通る部分を落とし。
次に身が傷まないように手早く血を抜いた後、
(中川食品・中川修さん)
「揺さぶって(血管の)中に湯が入るように」
約80℃のお湯につけて皮膚を収縮させ、羽や毛を剥いできます。
命から食へと変わっていく瞬間。
見学した子どもは、目をそらすことなく、真剣な表情で見守ります。
(父・雅俊さん)
「こういうのを見ることで、普段お母さんのご飯残したりしているので、そういうのがなくなれば良い」
表面に残った細かな毛を、バーナーで焼きます。
暁士くん、思わず父の手を握りました。
命をいただく重さに、心が震えます。
(中川食品・中川修さん)
「これモモ肉」
(カメラマン)
「今のところは」
(中川食品・中川修さん)
「手羽」
「ささみ」
(父・雅俊さん)
「なんで解体加工をやろうと」
(中川食品・中川修さん)
「百姓したら、みんな動物に食べられてしまう」
およそ1時間で、3羽のニワトリを部位ごとに解体し終えました。
(父・雅俊さん)
「自分の体の一部になってください、という感情がある」
「本当にもう、感謝して食べるようになる」
■「命をいただく原点」
(小料理屋「八福」店主・中本哲慈さん)
「命をいただく原点を、もう一度考えてほしい」
■「かぶりついて いいものか」
食育教室の最後は、みんなでバーベキュー。
解体したてのニワトリ。
炭でおいしそうに焼きあがりました。
こちらは、イノシシ肉のスペアリブ。
中本さんが用意しました。
(父・雅俊さん)
「かぶりついて良いものか、感謝して食べないと」
暁士くん、感謝を込めかぶりつきます。
お父さんも、モモ肉を豪快にひとかみ。
■食べることは生きること
(父・雅俊さん)
「むちゃくちゃ硬い、もっと柔らかいのかと思った」
「ついさっきですからね、ついさっきまで生きていたもの、親子共々命を噛みしめています」
スーパーに並べられた肉も、今、さばかれたばかりの肉にも、同じ命が詰まっています。
食べることは生きること。
命から命が育まれていきます。
