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 ◇ワールドシリーズ第5戦 ドジャース7ー6ヤンキース(2024年10月30日 ニューヨーク)

 ドジャースは30日(日本時間31日)、敵地でのヤンキースとのワールドシリーズ(WS)第5戦で劇的な逆転勝利を飾り4勝1敗とし、2020年以来4年ぶり8度目のワールドチャンピオンに輝いた。デーブ・ロバーツ監督(52)は、最大5点差を逆転した展開に「本当に信じられません」と喜びを爆発させた。

 ドジャースとヤンキースの東西名門がワールドシリーズを戦うのは1981年以来43年ぶり12度目。大谷とジャッジ、両リーグ本塁打王同士の対決に周囲の注目度も例年になく高まっていた。

 初回にヤンキースの主砲・ジャッジに2ランを浴び、序盤に5点差をつけられる苦しい展開。5点を追いかける5回、先頭のE・ヘルナンデスが中前打で出塁すると、続くエドマンのライナー性の打球を中堅手・ジャッジがグラブではじく失策を犯し無死一、二塁。さらにスミスのゴロを遊撃手・ボルピが三塁へ送球も判定はセーフ(記録は野選)となり、無死満塁と一気に好機を広げ、ベッツ、フリーマン、T・ヘルナンデスの3者連続適時打で一気に5点差を追いつき、同点とした。

 6回にスタントンの犠飛で得点を許したが、1点を追う8回に連打と四球で無死満塁の好機。9番ラックスが犠飛を打ち上げて同点とすると、大谷は初球が打撃妨害となり、1死満塁でベッツにつないだ。ここでベッツが犠飛を打ち上げ、最大5点ビハインドの展開からついに逆転した。

 試合後、ロバーツ監督は「皆、パレードするぞー!」と歓喜。前回優勝時の2020年は新型コロナ禍でパレードは開催できなかったため、パレードへの思いが真っ先に口をついた。続けて「まずは神様に感謝します。また選手、家族、コーチングスタッフ、オーナ陣、ドジャーネーション…全体のトロフィーです」と、周囲の支えすべてへの感謝を口にした。

 逆転劇には「本当に信じられません」とコメント。「素晴らしいシーズンでした。逆境もたくさんありました。多くの人が“うちはダメだ”といいましたが…」と振り返り、「ステージにいない多くの人たちも貢献してくれた。こうしてワールドチャンピオンになれた」と感慨深げに話した。

 ロバーツ監督は、逆転直後の8回裏で1死一、二塁のピンチを招いた場面で、ベンチを飛び出しマウンドへ向かった。交代を告げると思われたが、救援右腕・トライネンの胸にポンと手を当てて言葉をかけ、再びベンチへ。その後、奮い立ったトライネンがスタントンを1球で右飛に打ち取ると、続くリゾを空振り三振に仕留め3アウト。ベンチに戻ったロバーツ監督もこん身のガッツポーズで吠え、感情をむき出しにしていた。

 この場面について、「8回トライネンに何を告げたのか」と問われると、「ただ彼の目を見たかったんです」と告白。「彼の目を見て“どうだ?”って聞きました。彼が“できる”と言ったので、彼を信頼しました」と満面の笑みを浮かべた。