日銀、政策金利0・25%程度で維持…金融政策決定会合
日本銀行は31日に開いた金融政策決定会合で、政策金利である短期金利の誘導目標を0・25%程度で維持することを決めた。
11月の米大統領選を控えて米国経済や金融市場の不透明感は強く、経済・物価情勢への影響を慎重に見極める必要があると判断したとみられる。
日銀は、7月の決定会合で政策金利を0・25%程度に引き上げることを決め、前回9月は据え置いた。経済・物価の見通しが想定通りに推移すれば段階的に利上げを進める方針だが、植田和男総裁は今月24日に訪問先の米国で行った記者会見で、「(米国経済の先行きについて)分析を深めないといけない」と説明し、「(政策判断には)一応、時間的な余裕はある」と述べていた。
決定会合後に公表した四半期に1度の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、消費者物価指数の上昇率の見通し(政策委員の中央値)は、2024年度が2・5%、25年度が1・9%、26年度が1・9%となった。7月時点のリポートと同様、25年度後半以降、2%の物価安定目標が実現する見込みであるとした。
今後の経済・物価情勢は不確実性が高い。米大統領選の結果次第では外国為替市場で円安・ドル高が一段と進み、輸入物価の上昇を通じて物価上昇圧力が強まる可能性がある。また、衆院選で自民、公明両党の与党が過半数割れしたことで、政府の経済政策の見通しも読みづらくなっている。
植田氏が31日午後に開く記者会見では、今後の利上げを巡る考え方に注目が集まる。