Amazonが連載小説プラットフォーム「Kindle Vella」を2025年2月に閉鎖へ
Kindle VellaはAmazonで本の出版ができるKindleダイレクト・パブリッシングにある機能で、1冊の本を出版するのではなく、600〜5000文字のエピソードを連載形式で公開していくサービスです。Kindle VellaはアメリカのAmazon.com限定のサービスでしたが、2025年2月までに段階的に閉鎖していくことが発表されました。
Kindle Vella
Amazon is shutting down its Kindle Vella serialized story platform in February 2025
https://www.engadget.com/apps/amazon-is-shutting-down-its-kindle-vella-serialized-story-platform-in-february-2025-120030125.html
Amazonは2024年10月29日に、「Kindle Vellaを段階的に終了するという難しい決断を下しました」としてFAQを更新しました。発表によると、Kindle Vellaは読者と著者の両方にユニークで楽しい体験を提供するための新しいアイデアのひとつとして2021年に開始しましたが、期待したほどには普及しなかったため、販売を終了する決断をしたとのこと。
Kindle Vellaでは、以下の画像のような作品の詳細にアクセスします。
エピソード選択画面は以下のような感じ。作品冒頭の数話は無料で読むことができるほか、専用「トークン」を消費することで、追加のエピソードのロックを解除できます。トークンは購入するほかに無料配布も行われます。
トークンの販売は2024年12月4日まで実施され、同日まで著者は新しいエピソードを公開し続けることができます。読者はKindle Vellaが終了するまでトークンによるエピソードのロック解除が可能で、Kindle Vellaの後もロック解除したストーリーとエピソードはKindleアプリで引き続き利用できます。また、Kindle Vellaが終了した段階でアカウントにトークンが残っている場合は、トークンの価値と同額のAmazonギフトカードがアカウントに入金されるとのこと。
技術系ブログのEngadgetは、「Kindle Vellaが利用可能になって以来、反応は常に冷ややかでした」と指摘しています。Kindle Vellaの利点としては、著者が未完の物語を少しずつ掲載してロイヤリティを稼ぐことができるという点にあります。しかし、読者視点では本を「分割払い」するような形になるため、実際に使用している人はごくわずかだとEngadgetは述べています。