「Firefox 132」正式版リリース、macOSの再起動時の挙動が変化
ウェブブラウザ「Firefox 132」の正式版が公開されました。Firefox 126で導入された「サイト追跡を除いたリンクをコピー」の改善や、macOS版Firefoxの挙動変更などが実施されています。
Firefox 132.0, See All New Features, Updates and Fixes
https://www.mozilla.org/en-US/firefox/132.0/releasenotes/
「サイト追跡を除いたリンクをコピー」はFirefox 126で追加された機能で、リンクを追跡パラメータを除いた状態でコピーできます。新たに、リンク内に既知のパラメータが含まれていない場合、「サイト追跡を除いたリンクをコピー」がグレーアウトするようになりました。
◆Microsoft PlayReadyを用いた暗号化メディアの再生
Windows版Firefoxで、MicrosoftのDRM技術である「Microsoft PlayReady」を用いて暗号化メディアを再生できるようになりました。この機能はW3C標準の「Encrypted Media Extensions(EME)」に準拠しており、1080pや4K 4K Ultra HDのコンテンツを再生する際のバッテリー消費量を削減できるとのこと。なお、本機能は一部のユーザーから段階的に展開されます。
◆Wide Color Gamut WebGLのサポート
Windows版FirefoxとmacOS版Firefoxで広域色の表現が可能な「Wide Color Gamut WebGL」がサポートされました。記事作成時点では8bitのP3プロファイルがサポートされており、動画・画像・ゲームを鮮やかに表現可能となります。
◆ほとんどのSVGのフィルター効果でハードウェアアクセラレーションが有効化
ほとんどのSVGフィルタープリミティブでWebRenderのハードウェアアクセラレーションが利用可能になりました。対応するフィルターは「feBlend」「feColorMatrix」「feComponentTransfer」「feComposite」「feDropShadow」「feFlood」「feGaussianBlur」「feMerge」「feOffset」です。
◆macOSのウィンドウ共有機能のサポート
macOS 15(macOS Sequoia)以降のOSで新しいウィンドウおよび画面共有機能が利用可能になりました。macOS 14(macOS Sonoma)も今度サポートされる予定です。
◆macOSのセッション復元機能の改善
macOSの再起動時にFirefoxを起動していた場合、再起動後にFirefoxが自動的に起動するようになりました。
◆トラッキング防止機能の強化
強化型トラッキング防止機能のモードを「厳格」に設定した際にサードパーティーCookieへのアクセスがブロックされるようになりました。なお、強化型トラッキング防止機能のモードは設定画面の「プライバシーとセキュリティ」から切り替えられます。
◆開発者向けの変更点
・HTTP/2 Pushのサポートを終了しました。
・サービスワーカーのコンソールログインをふたたび有効化しました。
・USB経由のリモートデバイスデバッグ機能をふたたび有効化しました。
◆その他の変更点
・HTTPファビコンをHTTP経由で受信できない場合はブロックします。
・TLS 1.3のポスト量子鍵交換メカニズムをサポートします。
・新たな証明書圧縮技術をサポートし、TLSハンドシェイクを高速化します。
・「requestVideoFrameCallback()」が「HTMLVideoElement」インターフェイスで利用可能になります。
・「MediaStreamTrack」に「getCapabilities」メソッドを追加します。
・ブラウザが取得するリソースの優先度を指定できる「fetchpriority」を追加します。
・一部のウィンドウに対してストレージアクセスを許可するヒューリスティックが無効になりました。
また、Firefox 132には複数のセキュリティバグフィックスが含まれています。
なお、次期メジャー版となる「Firefox 133」は現地時間の2024年11月26日にリリース予定です。