滋賀県竜王町、近江牛の「ふん」で循環型地域作り #JapanMobilityShow
畜産、稲作、工業のゴールデントライアングル。
近江牛や近江米の産地として知られる、滋賀県竜王町。この地に工場を構えるダイハツ工業株式会社は、地元特産の近江牛肥育の糞尿からバイオガスのエネルギーを取り出し、工場の稼働エネルギーとして利用する取り組みを始めています。
これまであまり目を向けられてこなかった牛ふんからエネルギー源にすることで、脱炭素への取り組みに一役買うだけでなく、残滓は有機肥料として農地に還元できるとあって、資源とエネルギーが循環する地域社会を実現しているというわけです。
畜産の副産物が工場のエネルギーとして使われ、さらに農地に撒かれて肥料になるって、まさに循環型社会を絵に描いたようなサイクルに思えてきませんか?
ちなみに、「Japan Mobility Show Bizweek 2024」のダイハツブースでお話をうかがったところによると、このバイオガスで得られたエネルギーはダイハツ滋賀(竜王)工場のアルミ鋳造工程で600〜700度の高温を生み出すことにも活用されているのだそう。鋳造工程が稼働していない時間帯は、工場の電力に回されたりもするんですって。
約2年の研究開発期間をかけて、牛ふんをうまく発酵できる種菌を作り上げたというこの乾式メタン発酵システムは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が技術開発事業として採択。そして、竜王町ではこのバイオガス化プロジェクトを含む4つのプロジェクトを推進する「竜王町バイオマス産業都市構想」をすすめています。
ダイハツの方の説明によれば、実証実験の結果を受けて、このエネルギー循環モデルを他の地域でも展開したいとのこと。資源とエネルギーの地域内循環は、自然環境のみならず地方活性化にもプラスに働くことが期待できそうです。
Source: ダイハツ工業株式会社