注意しているのに「ケアレスミス」続く…もしかして精神面に問題? 心理カウンセラーが教える原因&対処法
自分では気を付けているはずなのに、なぜか仕事でケアレスミスを繰り返してしまうことはありませんか。この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。仕事の進め方が悪いだけでなく、精神面に問題が生じている可能性はあるのでしょうか。ケアレスミスが起きる原因や対処法などについて、心理カウンセラーの平井綾乃さんに教えていただきました。
精神的に余裕がない可能性も
Q.ケアレスミスが多くなってしまう場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
平井さん「生まれつきのものではなく、あるときから突然、作業効率が落ちたり、集中できなくなったりした場合、何らかの要因で作業能力や認識能力が低下していると考えられるでしょう。
例えば、1人では抱えきれないほどたくさんの業務をこなしていて、一つ一つのタスクをこなすときに注意力が散漫になってしまっているというケースもありますし、すでに抑うつ状態やうつの症状がある人の場合は、気分の落ち込みなどとともに集中力が落ちるといった症状が現れることもあります」
Q.では、「気を付けているはずなのにケアレスミスが多い」という状態が続く場合、どのような心理的要因が考えられるでしょうか。
平井さん「ミスが増えている人は、時間や精神的に余裕がなく、常に何かに追われているような生活であることが懸念されます。このような日々に余裕がない状況では、業務のクオリティーが低下したり、日常生活で事故が起こりやすくなったりするといったリスクが考えられます。また、うつなどの精神疾患が影響を及ぼしている可能性も否定できません」
Q.仕事におけるケアレスミスを減らすためには、どのように対処すればよいのでしょうか。
平井さん「まずは、『なぜミスが増えているのか』の原因を探ることが重要ですね。例えば、『仕事の効率が悪い』ことが原因だったとしたら、『業務のプロセスを改善すべきなのか』『業務量の調整をすべきなのか』『業務で使用しているシステムやツールなどが良くないのか』『デスクが整理整頓されていないのか』など、詳しく原因を割り出してみましょう。
あれこれ詰め込みすぎてしまうのが癖になっている人は、優先順位リスト、やることリストで業務を並べてみましょう。どのタスクから取り組むべきなのか明確にするというのも有効だと思います。
個人の進め方や組織でのやり方が原因ではなく、ミスのほかに疲労感や憂鬱(ゆううつ)感、うつなどの精神疾患が想定される場合は、ためらわずに医療機関の受診をお勧めします」
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ミスが生じているときには、その原因を深く掘り下げることが重要です。組織的な要因があったり、精神的な疾患の問題があったりするときは、自身の努力だけではどうにもならないこともあります。ミスが多いというほかにも、疲れや気分の落ち込みなどを感じている場合は、我慢せずに医療機関を受診してもよいかもしれません。