歴史的大事件の「当事者」です

機密の塊なアメリカ海軍の偵察機が博物館に

 アメリカ南西部のアリゾナ州ツーソンにあるピマ航空宇宙博物館は2024年10月23日、公式インスタグラムにて新しい収蔵機が到着したことを報告しました。


アメリカ海軍の電波情報収集機EP-3E(画像:アメリカ海軍)。

 一見すると、海上自衛隊でも運用されているP-3C対潜哨戒機にも見えるこの機体。じつは、その発展型の一つであるEP-3E「アリーズII」という非常に珍しい飛行機です。

 EP-3Eは、アメリカ海軍の電波情報収集機です。機体各部に設置された特殊なアンテナなどを用いて、他国の軍事施設などが出す電波情報を収集することを任務としています。同機は、2025年までに全機が退役するとされていますが、未だにその機体に関する詳細は明らかにされていません。

 そんな「機密の塊」であるEP-3Eが博物館に展示されるだけでも大きなニュースですが、さらに注目はこの機体のシリアルナンバーが「156511」であるということ。じつは、この機体は2001(平成13)年に中国の海南島付近で、中国海軍のJ-8戦闘機と空中衝突した、まさに当該機なのです。「海南島事件」という名でも知られるこの事件では、EP-3Eに接近したJ-8が空中衝突し、J-8のパイロットは行方不明となってしまいました。

 ピマ航空宇宙博物館によると、EP-3Eに関する一般公開の準備が整い次第、あらためてアナウンスを行うとのことです。