WS初戦で早くも逆風…絶好機を逸した打率.167と低迷する怪物ジャッジにNY紙が辛辣批判「失望は計り知れない」

写真拡大 (全2枚)

サヨナラ勝ちに歓喜するドジャースの面々を横目に肩を落とすジャッジ。(C)Getty Images

 勝利を目前に敗れたスター軍団に厳しい声が飛んだ。

 現地時間10月25日に行われたワールドシリーズ第1戦で敵地に乗り込んだヤンキースはドジャースと対戦。一進一退の攻防が続く中で延長10回にフレディ・フリーマンの逆転満塁弾を打たれ、無念のサヨナラ負けを喫した。

【動画】ドジャースWS初戦は劇的サヨナラ勝ち!フリーマンが逆転グランドスラム

 何よりも欲しかった敵地での先勝。それはあと1アウトという局面で叶わなかった。

 併殺崩れの間に奪った1点で3-2とリードして迎えた10回、ドジャースに粘られたヤンキースは、2死二、三塁の場面で右打者のムーキー・ベッツを迎えた。マウンドに左腕のネストル・コルテスを送り込んでいたベンチは策を講じる。ベッツを敬遠策で歩かせ、左打者フレディ・フリーマンとの勝負を選んだ。

 確立を考えれば、いわば「セオリー」と言える決断。あとワンアウトを取るための策を講じたヤンキースだったが、それは結果的に裏目に出る。コルテスが初球に投じた内角への速球をフリーマンに完璧に打たれてしまったのだ。

 ここで「左対左のマッチアップを考えた。悩むことはなかった」と満塁策を決めたブーン監督の判断を結果論ではある。むしろここで強調すべきは初球を狙い打ったフリーマンだろう。だが、何よりも「結果」を重視するニューヨークのメディアはチームにシビアな意見を寄せている。とりわけやり玉となっているのは、主砲のアーロン・ジャッジだ。

 今ポストシーズンで打率.167、2本塁打、OPS.665と精彩を欠く主砲は、この試合でも5打数1安打3三振と低調なパフォーマンスに終始。9回には2死一、二塁の絶好機で打席に入ったが、遊撃手への力のないポップフライに倒れた。

 ニューヨークの日刊紙『New York Post』は「ジャッジにはプレーオフでの自身の評判を変える絶好の機会があった」と強調。その上で「これまでプレーオフで躍進することができなかった異次元のジャッジに対する失望は計り知れない」と論じた。

 また、同紙の名物記者であるジョン・ヘイマン記者は「偉大なアーロン・ジャッジは打順を下げる必要がある」と指摘。「8番まで落とす必要はないが、少なくとも4番ぐらいまでには下げてもいい。打順変更は本当にやるべきだ」と論じた。

「この試合もスタントンの力だけでは違いを生み出せなかった。それはヤンキースがジャッジから十分な力を引き出せていないからだ。相手はもうカンザスシティやクリーブランドの時とは違う。その決断の遅れやずさんなミスによる代償を容赦なく払わせる“大国”と戦っているんだ。ジャッジがこのままポストシーズンで大規模な失敗を続けるのであれば、ヤンキースは過ちの償いをすることになる」

 まだ1戦目、されど1戦目だ。打線を完全に機能させられなかったことでヤンキースの周辺では緊張感が高まっている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]