悩ましい結婚式のマナーを、「All About」冠婚葬祭ガイドの中山みゆきが解説します。今回のテーマは、「ゲストとして参加する結婚式で和装を指定された場合の費用」についてです。

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ある程度年齢を重ねて、結婚式に招待されることも増えてくると、正しいマナーが気になるところ。新郎新婦の関係や年齢、式への参加の有無、ゲストの住んでいる場所など、さまざまな条件に左右されるだけに、自信を持って理解できていない人も少なくないかもしれません。

今回は「結婚式のドレスコード指定」にまつわる疑問に、「All About」冠婚葬祭ガイドの中山みゆきが回答します。

(今回の質問)
友人の結婚式にお呼ばれしたのですが、ドレスコードに「和装」を指定されました。お金が結構かかるのに、何も費用を負担してくれないのは少し非常識ではないですか?

(回答)
友人からわざわざ「和装」を指定されたのなら、基本、友人が着付け代を負担するのがマナー。自分の着物が自前でなくレンタルなら、着付けやヘアセットにも出費となるので、なおさら負担するのが当然です。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

【図解】絶対やめて…ご祝儀でやってはいけない渡し方

そもそも、結婚式における「ドレスコードの指定」って?

ドレスコードとは、特定の場所や状況における服装のルールのこと。海外では、結婚式でゲストにドレスコードを指定するのは知られていますが、昨今では日本でも取り入れているカップルもよく見かけます。

例えば、統一感をもたせるための「カラーの指定」。服装の一部に指定されたカラーを取り入れるだけで簡単に用意ができるので、ゲスト側の負担も軽くなります。またアクセサリーやバッグ、メガネなどの小物類もカラーや形など取り入れれば、会場に統一感を持たせることができます。

和装の場合、新郎新婦が着付け代を負担すべき

さて、ドレスコードを指定した場合、誰が費用を負担するのがマナーなのでしょうか。親族の場合は新郎新婦の親や親族自身が支払うのが一般的ですが、友人の場合はゲストに自己負担してもらうことの方が多いようです。

ですが、この質問者のように和装のドレスコードをわざわざ指定してくるとなると、何も費用を負担しないのは考えもの。着付けやヘアセットの代金、さらには着物をレンタルするのであれば、なおさら費用がかかります。基本的に新郎新婦が着付け代を負担するのがマナーでしょう。事前に友人に相談してみてもよいかもしれません。

そもそも和装のドレスコード指定は難しい?

そもそも前提として、和装のドレスコードを指定するのはハードルが高いです。ゲスト自身が好んで和装で着るのは別ですが、新郎新婦側で指定するのは避けるべきではないでしょうか。もしゲストにお願いすることを考えるなら、事前に「着付け代はこちらで負担いたします」と費用の負担を申し出るようにするべきです。金額は相場の1万円、または着付け代の全額を負担しなくても5千円程度を渡すとよいでしょう。

また、ゲストへ費用を渡すときは、「結び切り」または「あわじ結び」のついた祝儀袋よりも一回り小さいポチ袋に「寿」「御礼」とし、受付からゲストにお金を手渡ししてもらうようにしましょう。また、和装で来るゲストのために、着付け室や更衣室があることを確認しておくのを忘れないように。

何より、着物で式を華やかにしてくれたゲストの心遣いに、感謝の気持ちをしっかりと伝えるのを忘れないようにしましょう。

この記事の筆者:中山 みゆき
All About がオープンした当初から3年半、前ガイドの夫と共に冠婚葬祭についての情報発信に積極的に関わる。現在は、その知識を生かして冠婚葬祭関連のアドバイス活動を重ね、「思いやり」の心を大切にした情報を発信し続けています。
(文:中山 みゆき)