阪神から5位指名された富山GRNサンダーバーズ・佐野

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◆2024年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(24日)

 プロ野球・ドラフト会議が24日、都内で行われ、独立リーグ・日本海リーグの富山GRNサンダーバーズに所属する佐野大陽内野手(22)が、阪神から5位指名を受けた。緊張した面持ちでドラフト中継を見つめ、名前が呼ばれると「まさか、こんなに早い順位で指名されるとは思っていなかったです」とびっくり。感極まって何度もうれし涙を流した。常葉大橘高3年の春夏はチーム事情で捕手を務め、中部大ではキャプテンとして活躍するが、ドラフトに縁は無かった。佐野は「高校では何も注目されていなかったので、志望届は出せませんでした。大学4年の時は志望届は出しましたが、調査書は一つも、もらえない。独立リーグに行くための志望届だったし、その当時は悔しさもあまりなくて」と振り返る。

 その一方で、幼い頃から目指していたNPB入りを見据え、大学の先輩が在籍していた独立リーグ・富山に今春から加入することを決心した。入団当初は「全然打てず、春先のオープン戦も下位の打順で、調子が上がらない時期が続いた」と悩むこともあったが、元近鉄の吉岡雄二監督(53)からは打撃、元ロッテの細谷圭コーチ(36)からは守備の指導を受けて急成長。「吉岡監督からは打席に入る時のメンタルや、ボールの待ち方、その時の感情など、今まで知らなかったことを教わった。細谷コーチには、つきっきりでたくさんのことを教わりました」と感謝した。

 今季、日本海リーグ戦では首位打者争いを続け、リーグ2位の打率3割3分6厘をマーク。1番打者として活躍し、出塁率は4割6分4厘とリーグトップの記録を残した。9月にはリーグ選抜に選ばれ、阪神との2軍戦で2安打を放った。肩の強さを生かした堅実な守備と、広角に打ち分けるバットコントロール、50メートル走5・9秒の身体能力を評価され、ドラフト前には3球団から調査書が届いた。「本当に、小さい頃から、ぶれずに信じ続けていた夢だったので、その舞台に行けてうれしい。富山で教わったことを忘れず、球界を代表する選手になりたいです」と佐野。感謝の気持ちを胸に、新たな舞台で飛躍を目指す。(中田 康博)