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 ◇東都大学野球第5週最終日 青学大4ー1中大(2024年10月23日 神宮)

 青学大が4―1で中大を下して史上4校目、同大初の4連覇を勝ち点5の完全優勝で飾った。今秋ドラフト1位候補の主将・佐々木泰(たい)内野手(21)は初回に二塁打し、決勝の先制ホームを踏むなど躍動。負傷で出場はかなわなかったが同1位候補の西川史礁(みしょう)外野手(21)と16度目の頂点を喜んだ。明治神宮大会(11月20日開幕)への出場権を獲得し、全日程が終了した

 不屈の男が青学大史上最高の主将となった。初の4連覇を3季ぶりの完全優勝で決めると、マウンド上で誰よりも高く人さし指を突き上げた佐々木。仲間の手で胴上げされると、絶叫しながら歓喜の余韻に浸った。

 「プレッシャーも力に変えながら戦った中での勝ち点5での優勝。凄くうれしい」

 決して楽なシーズンではなかった。第2週で西川が右手に受けた死球の影響で今季絶望に。自身も前週の亜大戦で左手首に死球を受けると、2試合先発から外れた。チームは勝ち点を重ねたが「みんなに助けてもらった分、最後は自分がしっかり引っ張りたい」。優勝が決まる中大との今カードは万全ではなかったが、安藤寧則監督へ出場を直訴した。

 痛みが残る中でも初回2死から右中間への二塁打で出塁し、先制のホームを踏んだ。3回には左肩付近に死球を受けたが顔色一つ変えずに一塁へと歩き、勝利への執念を示した。指揮官も「勝ちに対する執念は凄いものがある。誰にでもできることではない」とその背中に拍手を送った。

 現役最多の東都通算12本塁打を誇る1位候補としてドラフト会議を迎える。「やるべきことはやった。明日は楽しみに待ちたい」と目を輝かせた佐々木。次はプロの肩書を引っ提げ、4冠が懸かる明治神宮大会へ堂々と乗り込む。(村井 樹)

 ≪児玉今季初白星 指名「待つだけ」≫児玉が6回4安打1失点の好投で今季初白星を挙げた。「ずっと2戦目で勝てず(エースの)中西に迷惑をかけたけど、最後は自分の投球ができた」と胸を張った。昨年のドラフト会議では常広が広島、下村が阪神のともに1位で指名され、野手は中島が楽天から6位で指名された。プロ志望届を提出済みの左腕は「待つだけです」と胸躍らせた。