Miho Uranaka

[東京 16日 ロイター] - 日本証券業協会の森田敏夫会長は16日の定例記者会見で、国債の先物取引での相場操縦を巡り証券取引等監視委員会が野村証券に課徴金納付を命じるよう金融庁に勧告したことについて、「残念であり誠に遺憾」と述べた。市場の公平性を担保すべき証券会社の社員の中で「こうした事案が起きたことは大きな問題」とも語った。

森田会長は当時、野村証券の社長を務めていたことから「責任を感じている」と述べる一方、事案について聞いていなかったとした。今後、報告書を通じて事案が明らかになる中で、協会長という立場で指導を行っていく考えを示した。

監視委によると、2021年3月に野村証券の自己勘定で取引を行うトレーダーが、長期国債の先物取引において、実際には売買する意思がないにもかかわらず、大量の注文を出し、取引が成立する前に注文を取り消す「見せ玉」という手口で不正に価格を変動させ、利益を得た。野村証券は、違反事実等を認める旨の答弁書を提出している。